大塚製薬株式会社

医療関連事業
2018年3月23日

新規抗結核薬「デルティバ錠」
多剤耐性結核の適応で中国にて承認を取得

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:樋口達夫、以下「大塚製薬」)は、成人の多剤耐性結核の治療薬として「デルティバ錠 50mg(一般名:デラマニド)」が中国国家食品薬品監督管理総局より製造販売承認を取得しましたので、お知らせします。

全世界における死亡原因のうち、感染症が約4分の1を占めています。その中でも結核は最も死亡者数が多い単一の感染症です。2016年には1,040万人が結核に罹患し、170万人が結核で死亡しました。インド、インドネシア、中国、フィリピン、パキスタン、ナイジェリア、南アフリカ共和国の7カ国で、全体の64%を占めており、近年では、既存の結核治療薬に耐性のある多剤耐性結核菌の出現が治療をより困難にしています。

大塚製薬が創製したデラマニドは、成人の多剤耐性肺結核患者に対する治療レジメンとの併用薬として、2014年4月に欧州医薬品庁より販売承認を取得、また2014年には世界保健機関(WHO)からその使用指針が発行されました。2015年にはWHOが発行する必須医薬品リスト(WHO Model List of Essential Medicines)に収載され、すでに70を超える国々で使用が推し進められています。日本においても2014年7月に承認済みです。

大塚製薬抗結核グローバルプロジェクトリーダー 山﨑慶三は、「大塚製薬は長年にわたり結核の研究開発をグローバルに実施してきました。結核患者数で世界3位の中国では、推定73,000人が多剤耐性肺結核に罹患しているとされています。今回の承認によりデラマニドによる新しい治療方法の提供が、中国での結核撲滅に向けた礎になることを期待しています」と述べています。

大塚製薬は、今後も世界中の未解決の医療ニーズを満たすため、革新的な製品をお届けしてまいります。

(患者数等の出典: WHO Global Tuberculosis Report 2017, リファンピシンの単独耐性も含む)

デラマニド(製品名「デルティバ」)について

大塚製薬が独自に創製した「デラマニド」は、ニトロ-ジヒドロ-イミダゾオキサゾールに分類され、結核菌の細胞壁を構成するミコール酸の生成を阻害することで効果を示す、新しい作用メカニズムを有する化合物です。現在までに欧州、日本、韓国、香港等で承認されています。大塚製薬は2016年にストップ結核パートナーシップの世界抗結核薬基金と連携してデラマニドを100カ国以上に供給できる体制を構築するとともに、ロシアのアールファーム社、米国のマイラン社と販売提携をすることでグローバルアクセスの拡大に努めています。