大塚製薬株式会社

医療関連事業
2023年11月10日

ループス腎炎治療薬「ボクロスポリン」の国内製造販売承認申請について

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:井上眞、以下「大塚製薬」)は、本日、経口免疫抑制剤「ボクロスポリン(一般名)」について、「ループス腎炎」の適応で、日本国内での製造販売承認申請を行いましたので、お知らせします。

ループス腎炎は、自己免疫疾患である全身性エリテマトーデス(SLE)によって引き起こされる高度なタンパク尿を伴う糸球体腎炎で、SLEの最も深刻な合併症の1つとされています。副腎皮質ステロイドが標準治療で、ミコフェノール酸モフェチルなどの免疫抑制剤を併用する場合があります。比較的若年に発症することで、SLE患者さんにおけるループス腎炎の合併は生命予後の悪化につながる末期腎不全へのリスクを高めていると考えられています。タンパク尿を伴う糸球体腎炎の速やかな寛解達成と、その後の副腎皮質ステロイドの減量が課題となっています。

本剤は、ループス腎炎を対象に開発された新規の経口免疫抑制剤で、T細胞の増殖・活性化に重要な酵素であるカルシニューリンを阻害することで免疫抑制作用およびポドサイト(糸球体上皮細胞)の保護効果を発揮すると考えられています。米国においては、オーリニア社が2021年1月に米国食品医薬品局(FDA)より、成人の活動性ループス腎炎の適応で製造販売承認を取得しています。大塚製薬は、2020年12月に日本と欧州における独占的開発販売権をオーリニア社から取得するライセンス契約を締結し、2022年9月に欧州医薬品庁(EMA)より本剤の販売承認を得ています。

大塚製薬は、最重点領域の一つとして、循環器・腎領域におけるポートフォリオ強化に取り組んでいます。今後とも、未だ十分満たされていない領域の研究開発を進め、世界の人々に貢献してまいります。

【全身性エリテマトーデスについて】

全身性エリテマトーデス(SLE:Systemic Lupus Erythematosus)は、完治が難しい慢性の自己免疫疾患で、全身の様々な場所、臓器に、多彩な症状を引き起こします。男女比は、1:9ほどで、女性に多く、特に20-40歳の女性に多いとされ、日本全国に約6~10万人ほどの患者さんがいると考えられています。