大塚製薬株式会社
H. ルンドベックA/S

医療関連事業
2024年4月9日

抗精神病薬「ブレクスピプラゾール」 米国で新規効能を追加申請
- 成人の心的外傷後ストレス障害(PTSD)について -

大塚製薬株式会社(本社:東京都、以下「大塚製薬」)とH.ルンドベックA/S(本社:デンマーク、コペンハーゲン、社長兼CEO:Charl van Zyl、以下「ルンドベック社」)は、4月8日(米国時間)、成人の心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療に関し、ブレクスピプラゾールとセルトラリンの併用療法の効能追加申請(sNDA)を、米国食品医薬品局(FDA)に提出しましたのでお知らせします。

FDAは申請資料を評価し、申請日から60日以内に申請受理の可否について判断し、74日以内に優先審査または標準審査かが示される予定です。 

本申請は、2つのフェーズ3試験(#071試験:416人の可変用量試験と#072試験:553人の固定用量試験)とフェーズ2試験(#061試験:321人の可変用量試験)に基づいています。いずれの試験も、成人のPTSD患者さんを対象とした、ブレクスピプラゾールとセルトラリン併用療法の有効性、安全性、忍容性を評価しました。これら3つの試験における主要評価項目は、投与10週目におけるセルトラリン単剤療法に対するブレクスピプラゾールとセルトラリン併用療法のCAPS-5(Clinician-Administered PTSD Scale for DSM-5)総スコアの変化量でした。

  • #071試験と#061試験では、ブレクスピプラゾールとセルトラリン併用群は、プラセボとセルトラリン併用群と比較して統計学的な有意差を示しました。
  • #072試験では、ブレクスピプラゾールとセルトラリン併用群はプラセボとセルトラリン併用群と比較して統計学的な有意差を示しませんでしたが、ブレクスピプラゾールとセルトラリン併用群におけるベースラインからのCAPS-5総スコアの変化量は、#071試験と#061試験で確認された改善と一致していました。
  • ブレクスピプラゾールとセルトラリンの併用群の忍容性は良好であり、3つの試験における安全性の結果は、これまで知られているブレクスピプラゾールの安全性プロファイルと一貫性のあるものでした。

大塚製薬とルンドベック社は、これら3つの試験の詳細なデータについて、本年5月28日から31日まで米国フロリダ州マイアミで開催される米国臨床精神薬理学会(ASCP)で発表する予定です。

PTSDについて

PTSDは、心的外傷となる出来事や状況を経験または目にしたことで起こりうる精神疾患です。要因となる出来事の例として、自然災害や重大事故、テロ行為、戦争、暴力、いじめなどがあります。米国では1300万人以上が罹患しており、100人に6人近くが一生のうちにPTSDと診断されるといわれています*1。PTSDの症状は一般的に、再体験症状、回避症状、考えや感情の否定的な変化、過覚醒症状に分類され、症状は時間の経過とともに変化し、人によっても異なります。

ブレクスピプラゾールについて

新規抗精神病薬「レキサルティ(一般名:ブレクスピプラゾール)」は、大塚製薬が創製した独自の薬理作用を有する化合物です。海外ではルンドベック社と共同開発し、2015年に米国で「成人の大うつ病補助療法」および「成人の統合失調症」の2つの効能で承認され、現在、日本を含めた約60の国・地域で展開しています。2023年5月には、米国で初めてとなる「アルツハイマー型認知症に伴うアジテーション」の効能追加の承認を米国FDAより取得しました。日本でも、2023年10月に「アルツハイマー型認知症に伴うアジテーション(攻撃的行動及び発言、非攻撃的行動の亢進、焦燥を伴う言動等)」について効能追加申請を行っています。