大塚製薬株式会社

ニュートラシューティカルズ関連事業
2025年8月18日

月経周期における肌状態の変動および有用な食品についての研究成果を発表

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長 井上 眞、以下「大塚製薬」)は、様々なライフステージで特有の健康課題が存在する"女性の健康"を注力する社会課題の一つに位置付け、女性の健康をサポートすべく研究開発や啓発活動を行っています。

当社は月経周期によって変化する肌の変動に着目した研究を実施し、このたび肌の変動の評価とともに、エクオール、ビタミンD、コラーゲン、カルシウム、マグネシウム含有ゼリー飲料(以下「試験食品」)が月経後の肌状態等の向上に寄与する可能性が示唆される研究論文が日本女性医学学会雑誌に掲載されました。

■結果の概要

  • 非摂取期における月経周期に応じた肌状態の変動として、主観的評価の結果、月経周期6日目から13日目にかけて「全体的な肌の調子」が上がるが、次回の月経開始日には悪化すると感じていることが確認された。

  • 月経後から6日間試験食品を摂取する摂取期と非摂取期の肌状態を比較したところ、主観的評価では、月経周期6日目から13日目にかけて非摂取期よりも摂取期のほうが有意なスコアの増加が認められた。また次回月経開始時における肌の状態悪化を抑制することが示唆された(図1)。また客観的評価では、月経周期6日目から13日目にかけて肌の滑らかさのスコア変化が有意に向上した(図2)。このことから、試験食品が月経後の肌状態の向上に寄与する可能性が示唆された。

  • 試験食品を6日間摂取することにより、血中25(OH)D3(貯蔵型ビタミンD)が上昇し、摂取終了1週間後においても高値を維持した。日本人女性を対象に20µg という低用量のビタミンD3 を6 日間の短期介入で評価した報告は本研究が初めてである。

■研究の概要

【緒言】

月経周期に伴うエストロゲンとプロゲステロンの変動は、さまざまな身体的影響を及ぼす。われわれは月経周期に応じた肌の変化に着目し、主観的・客観的評価による基礎情報を取得するとともにエクオール、ビタミンD、コラーゲン、カルシウム、マグネシウム含有ゼリー飲料(以下「試験食品」)を、月経後に6日間摂取することによる肌への影響を検討した。

【方法】

月経周期に応じて肌の状態に変化を感じる閉経前女性109名を対象に、非摂取期を対照とした非盲検クロスオーバー比較試験を実施した。月経開始日をDay1 とし、試験食品摂取期にはDay7から連続して6日間、朝食後に試験食品を摂取させた。Day6、Day13および次回月経開始日に、主評価項目として全16項目から成る肌に関する自記式質問紙調査を実施した。また、副次評価項目としてDay6、Day13、Day20に肌の客観的評価と血中パラメーターの評価を行った。

【結果】

非摂取期の自記式質問紙調査より、Day6からDay13にかけては、「全体的な肌の調子」等の3項目で肌状態のスコアが有意に向上し、Day6から次回月経開始日にかけて12項目で有意なスコアの悪化が認められた。試験食品摂取期では、非摂取期のDay6からDay13と比較して「肌のざらつき」等の5項目で有意なスコアの向上が認められ、次回月経開始日においても5項目で有意差が認められた。さらに、エクオール産生者と非産生者ごとの解析では、非産生者の方が試験食品摂取によるレスポンスがより顕著に認められた。

【結語】

月経周期に応じて肌の状態に変化を感じる女性は、月経後に肌の状態が向上し、黄体期*1を経た次回月経開始日には悪化を感じていた。試験食品摂取によって、普段の月経後より肌状態に対する実感が向上し、次回月経開始日における悪化を抑制したことから、試験食品が月経後の肌状態の向上に寄与する可能性が示唆された。

  1. ※1黄体期:女性の月経周期のうち、排卵後から次の月経が始まるまでの期間を指す。
  • 日本女性医学学会雑誌, 32: 686-698, 2025
  • 月経周期における肌状態の変動とエクオール, ビタミンD, コラーゲン, カルシウム, マグネシウム含有ゼリー飲料摂取の影響について --無作為化非盲検クロスオーバー比較試験--

    宮川春菜、上野友美、内山成人

    大塚製薬株式会社栄養科学研究所

■エクオールとは

エクオールとは、大豆イソフラボンに含まれるダイゼインが腸内細菌によって代謝されて生み出される成分です。女性ホルモンに似た働きをし、女性の健康と美をサポートする成分として注目されています。しかしながら、すべての人が腸内でエクオールを作れるわけではなく、日本人でエクオールを産生できるのは約半数*2という報告があります。

  1. ※2出典:日本女性医学学会雑誌,20:313-332,2012

■大塚製薬の女性の健康における取り組み

大塚製薬は、かねてより女性の心身の変化や健康課題に着目し、1996年から女性の更年期症状や月経前症候群(PMS)に関する研究を開始しました。2002年には「エクオール」を産生する乳酸菌ラクトコッカス20-92株の単離に成功し、この乳酸菌で大豆胚芽を発酵し生成したエクオールを用い、その有用性と安全性について国内外で研究を重ねています。また、医療専門家と連携し、セミナーやWEBサイトなどで、女性のライフステージに応じた健康維持や生活の質の向上にむけた情報提供活動を行っています。

参考:コーポレートサイト「女性の健康」https://www.otsuka.co.jp/nutraceutical/about/womens-health/

大塚製薬について

大塚製薬は、一人ひとりの可能性に向き合うトータルヘルスケアカンパニーです。"Otsuka-people creating new products for better health worldwide"の企業理念のもと、未充足の医療ニーズに新たな価値を提供する医療関連事業と、科学的根拠をもった独創的な製品やサービスにより日々の健康維持・増進をサポートするニュートラシューティカルズ関連事業を通じて、人々のウェルビーイングの実現に向けて取り組んでいます。詳細は大塚製薬コーポレートサイトをご覧ください。www.otsuka.co.jp