ニキビの基礎知識
ニキビは思ったより複雑な病気です。皮脂(毛穴から出るあぶら)、毛穴のつまり、ニキビ菌など・・・原因は一つではありません。ニキビを早くきれいに治すためにも、正しい知識を身につけましょう。
ニキビができる原因
日頃から私たちがニキビって呼んでいるこの症状、じつは尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)という皮膚の病気です。
顔や胸、背中などによくできる赤いプツプツ、ニキビは、毛包(毛の根元にある袋状の部分)や皮脂腺が炎症を起こしている状態です。
ニキビのできる原因は主に以下3点などが挙げられます。
- 1過剰な皮脂の分泌
- 2毛穴の出口が角化してつまる
- 3ニキビ菌の繁殖
ニキビの経過
ニキビになった毛穴をのぞいてみよう。ニキビはこうして悪化します。
ニキビ菌は正常な皮膚の毛穴にも住んでいます。
皮脂腺で作られた皮脂は毛穴から皮膚の表面に出て行きます。
毛穴の出口近くで角化異常が起こった場合、毛穴が塞がれ皮脂は外に出られなくなります。(面皰:めんぽう)
皮脂がたまると、皮脂が大好物のニキビ菌が増えます。ニキビ菌がいろいろな炎症を起こす物質を産生し、赤い炎症が起こります。(丘疹:きゅうしん)
炎症がさらに進むと、広がった毛穴の壁が破れて炎症は周囲にまで広がり、ウミを持つようになります。(膿疱:のうほう)
ニキビをつぶしたり、髪の毛がふれたりすると、刺激でニキビはますます悪化します。
ニキビを悪化させると、なおったあとにニキビあとが残ってしまいます。(瘢痕:はんこん)
ニキビのピークは思春期
ニキビの好発年齢は思春期以後で成人では次第に減少していきます。女性ではしばしば中年すぎまで見られます。ニキビの発生には男女差はあまりないと言われていますが、医療機関を訪れる患者さんでは女性が2倍近い数になります。
ニキビができるところ・ニキビの病態
大きな皮脂腺をもつ毛孔で、顔、胸、背中、に分布(上のイラスト中の赤い部分)。皮脂腺から皮脂が分泌され、皮膚のうるおいを保ちます。ニキビ(尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう))は、この脂腺性毛包に起きる病気です。
毛孔がつまって皮脂がたまり、毛孔がふくらんだ状態。細菌(ニキビ菌)が増えやすい状態です。
赤く炎症を起こし、丘のように盛り上がっている状態。ひどくなると右写真のような「膿疱」になります。
毛孔が破壊され、左写真の「丘疹」がひどくなった状態。ニキビ菌が増え、うみ(膿)がたまり、炎症がひどくなります。
写真提供:西嶋攝子
ニキビの痕を残さないために、早期に炎症を抑えることが大切です。ニキビが気になったらなるべく早く医師に相談しましょう。