ブリストル・マイヤーズ株式会社
大塚製薬株式会社

医療関連事業
2010年6月9日

SPRYCEL®(一般名:ダサチニブ水和物)
に関する4年追跡調査結果を発表イマチニブが奏功しなかった
慢性骨髄性白血病患者さんで82%の全生存率を達成

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(本社:米国ニューヨーク州、CEO:ランベルト・アンドレオッティ)と大塚製薬株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岩本 太郎)はSPRYCEL®(スプリセル、一般名:ダサチニブ水和物)に関し、イマチニブに抵抗性または不耐容の慢性期慢性骨髄性白血病(CML-CP)の患者さんにおいて、SPRYCEL®の至適用量検討のための第III相無作為化非盲検試験における4年間の追跡調査の結果が、シカゴで開催された第46回アメリカ臨床腫瘍学会(ASCO:American Society of Clinical Oncology)年次会議で発表されたと報告しました。4年目の時点で、SPRYCEL® 100 mg 1日1回の投与を受けた患者さんにおいて、82%の全生存率(95% CI: 76%-88%)と66%の無増悪生存率(95% CI: 57%-74%)が達成されました。

この試験から得られた4年間の安全性データは、SPRYCEL® 100 mg 1日1回の投与に関してこれまでに報告された安全性プロファイルと一致しています。この試験の長期的データから、SPRYCEL® 100 mg 1日1回の投与による有害事象は治療開始からおおむね24カ月以内に発生したことが明らかになりました。

この試験の治験責任医師を務めたサンフランシスコのカリフォルニア大学血液・腫瘍学科のニール・シャー助教授(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「第二選択薬としてのSPRYCEL®に関する4年間のデータにより、この治療薬とCMLの治療全般に関する知識が拡充されました。研究者・臨床医として、このような結果はたいへん有望だと考えています。」

CA180-034試験について

CA180-034試験は、SPRYCEL® 100 mg 1日1回の投与の有効性と安全性を評価するために設計されました。この試験には、イマチニブに抵抗性(n=497)または不耐容(n=173)のCML-CP患者さん670人が登録し、100 mg 1日1回(n=167)、50 mg 1日2回(n=168)、140 mg 1日1回(n=167)、70 mg 1日2回(n=168)の4つの治療群の1つに無作為に割りつけられました。多くの前治療が施されたこの患者群におけるCML発現から無作為化割り付けまでの期間の中央値は、100 mg 1日1回投与群で55カ月であり、これらの患者さんの46%にイマチニブによる3年間以上の前治療歴がありました。試験の主要評価項目である、イマチニブに抵抗性の患者さんにおける細胞遺伝学的反応に関するデータは、すでに報告されています。この試験は、イマチニブに抵抗性または不耐容のCML-CP患者さんに、SPRYCEL® 100 mg 1日1回の推奨開始用量を投与することを支持しています。

この試験において、胸水(全グレードを含む)は、12カ月目の時点で10%、24カ月目の時点で14%、24~36カ月の時点で6%、36~48カ月の時点で3%の患者さんに発現しました。好中球減少症と血小板減少症(グレード3または4)は、治療開始からおおむね12カ月以内に発現しました(それぞれ、12カ月の時点で34%と22%、12~24カ月の時点で1.2%と0.6%、24~36カ月の時点で0.6%と0.6%、36~48カ月の時点で0%と0.6%)。毒性を原因とする投与中止は、治療開始からおおむね12カ月以内に発生しました(12カ月の時点で11%、12~24カ月の時点で4.4%、24~36カ月の時点で4.6%、36~48カ月の時点でなし)。

慢性骨髄性白血病(CML)について

CMLは、体内で無数の異常な白血球が生成される、ゆっくり進行するタイプの白血病です。最新の統計では、米国で約22,475人がこの病気に罹患しています。2009年には、5,050人が新たにCMLと診断されたと推定されます。 CMLは、2つの異なる染色体が切断され、互いに結合することによって発現します。この新たに生じた染色体はフィラデルフィア陽性染色体と呼ばれ、過剰な白血球細胞を生成するよう細胞にシグナルを送るBCR-ABLという異常な遺伝子を含んでいます。CMLを引き起こす遺伝子変化の原因は明らかになっていません。

*ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と大塚製薬株式会社は、米国、日本、および主要ヨーロッパ諸国におけるSPRYCEL®の販売に関して提携しています。SPRYCEL®は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社によって創薬、開発されました。日本におけるスプリセル®の概要に関しては、以下の「ご参考」をご確認ください。

  • 将来予測等に関する記述
    本プレスリリースは、特定の化合物の開発と製品化に関して、1995年私募証券訴訟改革法で定義されるところの将来予測に関する記述を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関する記述は保証できるものではありません。特に、本プレスリリースで触れた臨床試験が規制上の承認を受けるという保証はできません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2009年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にあるリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事の結果を問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。

ご参考:日本におけるスプリセル®の概要

参考資料

  1. Shah NP, et al. J Clin Oncol. 2008;26:3204-12.

本資料は、米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と大塚製薬株式会社が、6月 7日(米国現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に再編集したものです。内容とその解釈については原文である英文が優先します。