健康・医療戦略担当大臣賞
「多剤耐性肺結核治療薬デラマニドの開発」
受賞者
大塚製薬株式会社
功績
大塚製薬株式会社は、既存の結核治療薬では治療が困難であった多剤耐性結核菌に対して有効なデラマニドと呼ばれる新薬を開発し、世界の結核・感染症対策に多大な貢献を果たした。
概要
全世界における死亡原因のうち、感染症が約4分の1を占めています。その中でも結核は最も死亡者数が多い単一の感染症です。近年では、既存の結核治療薬に耐性のある多剤耐性結核菌の出現が治療をより困難にしています。
このような中、大塚製薬では、1980年初頭より抗結核薬の研究に着手し、2001年に抗結核作用を有する新規誘導体であるデラマニドを発見しました。基礎評価試験の結果、デラマニドは、既存の抗結核薬に耐性となった結核菌に対しても強い効力を示しました。デラマニドは、成人の多剤耐性肺結核患者に対する治療レジメンとの併用薬として、2014年4月に欧州医薬品庁(EMA)より販売承認を取得、また2014年には世界保健機関(WHO)からその使用指針が発行されました。2015年にはWHOが発行する必須医薬品リスト(WHO Model List of Essential Medicines)に収載され、すでに60を超える国々で使用が推し進められています。
日本においても2014年7月に承認済です。
大塚製薬は、今後も世界中の未解決の医療ニーズを満たすため、革新的な製品をお届けしてまいります。