大塚製薬株式会社
アトピー性皮膚炎治療薬「ジファミラスト」の国内フェーズ3試験結果速報について
大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長 井上眞、以下「大塚製薬」)は、「ジファミラスト(開発コード:OPA-15406)」のアトピー性皮膚炎患者さんを対象とした2つの国内フェーズ3試験(成人対象試験と小児対象試験)において、ポジティブな結果が得られたことをお知らせします。
ジファミラストは、大塚製薬が創出したホスホジエステラーゼⅣ(phosphodiesterase 4、以下「PDE4」)阻害作用を有する新規のアトピー性皮膚炎治療薬です。PDE4阻害薬は、炎症性サイトカインなどの化学伝達物質の産生を抑制し、抗炎症作用を発揮することでアトピー性皮膚炎の症状を改善すると考えられています。
2つのフェーズ3試験は、国内のアトピー性皮膚炎患者さんを対象に、多施設共同、無作為化、二重盲検、基剤対照、並行群間比較試験として実施しました。成人対象試験では1%ジファミラスト軟膏または基剤を、小児対象試験では0.3%、1%ジファミラスト軟膏または基剤を、それぞれ1日2回、4週間塗布し、本剤の有効性および安全性を比較検討しました。主要な治療効果は、アトピー性皮膚炎の全身症状を重症度点数で判定する包括的重症度評価(Investigator's Global Assessment:IGA)を用いて症状の改善を評価しています。
今回、成人対象試験および小児対象試験において、主要評価項目であるIGA反応率(IGAスコアが0または1、かつ2段階以上改善した割合)は、本剤群で基剤群よりも高く、統計学的な有意差が認められました。また、本剤を塗布した時の安全性に大きな問題はみられませんでした。
これら試験結果の詳細については、今後さらなる解析を進めるとともに、専門的な学会で公表する予定です。なお、大塚製薬は米国メディメトリクス社に対して、米国における本剤の開発・販売・製造権を導出する契約を2016年に締結しています。