大塚製薬株式会社

医療関連事業
2022年3月31日

腎性貧血治療薬「バダデュスタット」
米国FDAから審査完了報告通知(CRL)を受理

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:井上眞、以下「大塚製薬」)は、3月30日(米国時間)、アケビア・セラピューティクス・インク(本社:米国マサチューセッツ州・ケンブリッジ、社長兼CEO:ジョン・P・バトラー、以下「アケビア社」)と共同で開発を進めている経口の腎性貧血治療薬「バダデュスタット(一般名)」について、アケビア社が米国FDAから、今回の申請データでは承認できないとする旨の審査完了報告通知(Complete Response Letter:CRL)を受理したことをお知らせします。

大塚製薬はアケビア社とともに、このたびのCRLの内容を精査し、今後の方向性を検討します。

大塚製薬はアケビア社と連携し、欧州医薬品庁(EMA)でも2021年10月に、成人の慢性腎臓病(CKD)に伴う貧血の適応で、医薬品販売承認申請(MAA)を提出しています。

【参考】

バダデュスタット(vadadustat:アケビア社保有)について

低酸素誘導性因子(Hypoxia Inducible Factor;HIF)の分解酵素である低酸素誘導性因子プロリル水酸化酵素(HIF Prolyl Hydroxylase ; HIF-PH)を阻害することにより、エリスロポエチン転写因子であるHIFを安定化・調整する働きをします。HIFは、酸素濃度の変化に応答し、赤血球の産生に関与する遺伝子発現を制御します。バダデュスタットは、標高が高くなって酸素濃度が低下した時に、人体が低酸素状態に自然に適応するメカニズムと同じ作用で働きます。人体は低酸素状態では、HIFの産生を上昇させます。このHIFはエリスロポエチン産生を導くのみでなく鉄輸送能を改善する働きもあるので相互依存的プロセスを調整することで、赤血球の産生を高め、結果として酸素運搬を改善します。