大塚製薬株式会社
H. ルンドベックA/S

医療関連事業
2022年9月13日

アリピプラゾール2ヵ月持続性注射剤
統合失調症と双極Ⅰ型障害の適応で米国FDAが申請受理

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:井上眞、以下「大塚製薬」)とH.ルンドベックA/S(本社:デンマーク、コペンハーゲン、社長兼CEO:デボラ・ダンサイア、以下「ルンドベック社」)は、成人の統合失調症と双極Ⅰ型障害の適応で、アリピプラゾール2ヵ月持続性注射剤(LAI)の新薬承認申請(NDA)が米国FDAに受理されましたのでお知らせします。本剤の審査終了目標日は、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づき、2023年4月27日に設定されています。

本剤は、シングルチャンバー型プレフィルドシリンジ製剤で2ヵ月に1回筋肉注射を行います。承認されれば症状が安定した成人統合失調症の治療および成人双極性障害Ⅰ型の単剤維持療法を適応とする、米国で初めての2ヵ月投与型の抗精神病薬LAIとなります。

統合失調症患者さんにおける服薬アドヒアランスは一般的に低く*1、アドヒアランスの不良はさらなる再発の最も強い予測因子であることが分かっています*2。長時間作用型のLAIは1回の注射で持続的な薬物血中濃度の維持を可能にし、毎日服用しなくてもよい製剤であることからアドヒアランスの問題を軽減し、患者さんの良好な転帰に寄与する可能性があります*3。また、初期の統合失調症において、LAIは経口抗精神病薬と比較して再発率を低下させることが示されています*3,*4,*5

本申請は、統合失調症または双極Ⅰ型障害の成人患者さんを対象に、アリピプラゾール2ヵ月LAIの安全性、忍容性および薬物動態について、エビリファイ メンテナ(アリピプラゾール1ヵ月製剤)と比較した32週間の薬物動態試験の結果により行われました。主要評価項目であるアリピプラゾール2ヵ月LAIとエビリファイ メンテナ1ヵ月に1回投与の血中濃度において同等性が確認され、複数回投与においても良好な忍容性を示しました。また、エビリファイ メンテナと比較して新たな安全性の懸念は認められませんでした。

【アリピプラゾールについて】

大塚製薬が創製した世界初のドパミンD2受容体パーシャルアゴニスト作用をもつ抗精神病薬です。1日1回投与の錠剤、口腔内崩壊錠、内用液、月1回投与のLAIなどが発売されています。大塚製薬とルンドベック社は、2011年に中枢神経疾患領域におけるグローバル・アライアンス契約を締結しました。

  1. *1Brissos S, et al. Ther Adv Psychopharmacol 2014;4(5):198-219
  2. *2Emsley et al. BMC Psychiatry 2013;13:50
  3. *3Zhornitsky S & Stip E. Schizophr Res Treatment 2012;2012:407171
  4. *4Agid O, et al. Expert Opin Pharmacother 2010;1(14):2301-2317
  5. *5Leucht C, et al. Schizophr Res 2011;131(1-3):260-261