大塚製薬株式会社
FACEDUO「認知症ケア支援VR」の提供を開始
- 認知症の人と介護者がともにいきいき暮らす「共生」社会の実現を目指して -
大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長 井上眞、以下「大塚製薬」)は、株式会社ジョリーグッド(本社:東京都、代表取締役CEO 上路健介、以下「ジョリーグッド」)との共同事業であるVRトレーニングプログラム「FACEDUO(フェイスデュオ)」の新たなプログラムとして、「認知症ケア支援VR」を開発し、本日より提供を開始しましたので、お知らせします。今回の提供はプレリリース(お試し体験)で、12月に販売を開始する予定です。
「認知症ケア支援VR」は、認知症の方のご家族や介護士の方をはじめとする介護者の方々が、認知症の方の気持ちや行動の背景を知り、具体的な対応を学ぶための、専門医監修の体験型VRトレーニングプログラムです。
認知症になると物事の段取りや手順が分からなくなったり、もの忘れをしたりなどの症状がしばしば起きます。ただ、当事者は何も分からなくなってしまったのではなく、認知症による自身の変化に戸惑ったり、不安を感じていたり、他者とコミュニケーションがうまく取れないことにストレスを感じていたりします。「認知症ケア支援VR」は、介護者自身による普段の対応や行動を、VRを通じて認知症当事者の主観で体験することで、認知症当事者の行動の背景や気持ちを理解することに役立ち、接し方の工夫などを学ぶことができます。
本プログラムによる認知症ケアの向上により、認知症の方がその人らしく暮らし続けることを可能にしながら、介護者のストレスも軽減され、双方が充実した日々を送ることができる「認知症との共生社会」の実現を目指します。
「認知症ケア支援VR」は、認知症のご家族、認知症サポーター、介護を専門とされる医療・福祉の方など幅広くご利用頂けます。利用シーンとして、自治体、企業、地域共生薬局などで実施される認知症介護教室や、学会、病院、介護施設で実施される介護スタッフに対する研修などを想定しています。
大塚製薬は、一人ひとりの可能性に向き合うトータルヘルスケアカンパニーとして、人々が身体的・精神的、そして社会的にも健康であるWell-beingの実現に貢献していきたいと願っています。日本が超高齢社会に突入する中、認知症はご家族をはじめとする介護現場の方々にとっても非常に深刻な問題となっています。大塚製薬では医薬品の開発とともに、パートナーとの協働を通じたFACEDUOをはじめとするデジタルツールの開発を通じて、認知症に対して多面的な取り組みを行ってまいります。
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社会課題となるビジネスケアラーに対する介護負担
認知症高齢者の数は2025年には471.6万人となり、2040年には584.2万人に増加、高齢者のおよそ15%、6.7人に1人が認知症と推計されています。認知症の前段階とされる軽度認知障害(MCI)の推計612.8万人*1と合わせて、約3人に1人が認知機能の低下に至るとされています。
働きながら家族の介護に従事するビジネスケアラーを取り巻く課題として、年間約10万人の介護離職者が発生しており、2030年には家族介護者のうち約4割がビジネスケアラーとなる中で、仕事と介護の両立困難による労働生産性の損失は約8兆円になると指摘されています*2。
- *1令和5年度老人保健事業推進費等補助金「認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究」
- *2経済産業省(2024年)「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」
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「FACEDUO(フェイスデュオ)」について(https://www.faceduo.jp/)
「FACEDUO」は、人とテクノロジーで社会課題に対する解決策を提案するVRトレーニングプログラムです。現在、社会生活場面を教材にVRで練習できる「ソーシャルスキルトレーニング(SST)支援プログラム」、ひきこもり者のご家族に社会参加を促す際に有効なコミュニケーションのポイントや対応方法を学ぶことを目的とした「ひきこもり家族支援プログラム」、良好な人間関係を築くスキルを育てる「感情認知トレーニングプログラム」があります。
<認知症ケア支援VR概要>
「認知症ケア支援VR」は、認知症の方の気持ち、行動の背景を知り、具体的な対応を学ぶ、体験型ケア支援VRプログラムです。本プログラムは専門家の監修に基づき開発され、大きく3つのテーマで構成されています。
- 1「認知症の症状の理解」
介護者が戸惑った場面を家族目線で体験し、場面を振り返りながら、認知症の症状について理解を深めます。 - 2「認知症の方の気持ち・行動の理解と工夫」
介護者が認知症の方と接する中で難しいと感じる場面の体験を、「きっかけ→気持ち・行動→対応」という流れで分析を行い、きっかけを変えることや、認知症の方の気持ちを理解した対応へのアドバイスが提供されます。テーマ2は認知症の各症状に起因するそれぞれの行動に対しての複数のコンテンツが用意される予定です。 - 3「リラックスVR」
リラックスできるVR空間で呼吸法を用い、介護者の方々が体と心をリラックスさせる体験を通じ、ストレス軽減を図ります。
2024年9月10日に「認知症の症状の理解」および「認知症の方の気持ち・行動の理解と工夫」のプレリリース(お試し体験)を行い、12月に販売を開始します。当事者と介護者の方々の体験を通じて得られたご意見を基にさらなる開発を行い、当事者と介護者双方が充実した日々を送ることが出来る製品・サービスの提供を目指します。
<認知症ケア支援VRの特徴>
「認知症ケア支援VR」は、認知症の方との接し方の工夫を実践的に学べるよう、実写VR技術によるリアル感と、3Dグラフィックスを活用した仮想空間を組み合わせました。それにより、学びやすさとわかりやすさ、継続して受講しやすい要素を加えています。
VRの進行役とドクターがトレーニングを進めるため、認知症介護者を教育する支援者の負担の軽減にも繋がります。
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認知症ケア支援VRに関するコメント
コンテンツ監修:
慶應義塾大学医学部 精神・神経科/医療安全管理部 准教授
藤澤大介医師
認知症ケアでは、認知症のご本人のケアに加えて介護者の心のケアが大切です。このプログラムは、認知行動療法と応用行動分析の考え方に基づき、認知症の方と介護者の両方の心のケアを目的として開発されました。VRの特長を生かし、認知症の方と介護者の双方の視点を体感できるように作られています。認知症の方の心の理解、その理解にもとづいた認知症の方に優しいコミュニケーション、介護者の方のメンタルケア、それぞれに役立つと期待しています。
<FACEDUOに関するお問い合わせ>
認知症の介護支援事業に関わる自治体や企業、認知症治療・介護に携わる医療施設や介護福祉施設で導入を検討されている方からのお問い合わせをお待ちしております。
・FACEDUO公式ページ(認知症ケア支援VR): https://www.faceduo.jp/dementia-care/
・お問い合わせ: https://www.faceduo.jp/form/contact/
大塚製薬とジョリーグッドは、「FACEDUO」を通じて、当事者やご家族・支援する方々が抱える課題を解決するため、今後も新たなコンテンツの開発を行ってまいります。