大塚製薬株式会社

医療関連事業
2025年11月6日

新規結核治療薬「quabodepistat」のフェーズ3試験を開始

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:井上 眞、以下「大塚製薬」)およびその米国子会社のOtsuka Pharmaceutical Development & Commercialization, Inc.(所在地:米国ニュージャージー州・プリンストン、以下「OPDC」)は、多剤耐性結核(MDR-TB)*1の治療薬候補化合物である「OPC-167832(一般名:quabodepistat)」のフェーズ3試験を開始したことをお知らせします。

結核、特に多剤耐性結核は、現在においても世界の公衆衛生上の重要な問題です。世界保健機関(WHO)によると、毎年1,000万人が結核を発症しています。予防・治療が可能であるにもかかわらず、年間150万人が結核で亡くなっています*2

このたびのフェーズ3試験「QUANTUM-TB(Quabodepistat Accelerating New Treatments for Multidrug-Resistant Tuberculosis)」は、14歳以上の青年および成人の結核患者さんを対象に、quabodepistatを含む治療レジメンの有効性、安全性、忍容性を評価するために設計された無作為化比較試験です。本臨床開発プログラムの主な目的は、多剤耐性結核に苦しむ患者さんに対し、より高い有効性を持ち、治療期間が短く、副作用が少ない、忍容性に優れた新たな治療法を開発することです。本試験では、フルオロキノロン感受性の多剤耐性結核患者さんには17週間、フルオロキノロン耐性の多剤耐性結核患者さんには26週間にわたりquabodepistatを含む治療レジメンを投与し、それぞれ世界保健機関(WHO)が定める標準治療と比較します。本試験は、フィリピンにおいて最初の患者さんへの投与が開始されており、今後は日本を含む複数の国の30以上の施設で実施される予定です。

大塚製薬の医薬品事業部 執行役員 医薬研究統括補佐である川﨑昌則は、「この重要な治験を開始できることを大変嬉しく思っており、参加者の皆様と研究者の方々に深く感謝しています。本剤の臨床試験は、多剤耐性結核に苦しむ人々の未充足の医療ニーズに応えるための、極めて重要な一歩です」と述べています。

臨床試験に関する詳細情報は、https://clinicaltrials.gov/study/NCT07209761 に公開されています。

  • *1多剤耐性結核(MDR-TB):結核の治療に用いられる主要薬剤であるイソニアジド、リファンピシン、およびピラジナミドのうち、イソニアジド、リファンピシンの両方の薬剤に耐性を有するものを指す。
  • *2Global tuberculosis report 2024. Geneva: World Health Organization; 2024. Licence: CC BY-NC-SA 3.0 IGO.

大塚製薬株式会社について
大塚製薬は、一人ひとりの可能性に向き合うトータルヘルスケアカンパニーです。"Otsuka-people creating new products for better health worldwide"の企業理念のもと、未充足の医療ニーズに新たな価値を提供する医療関連事業と、科学的根拠をもった独創的な製品やサービスにより日々の健康維持・増進をサポートするニュートラシューティカルズ関連事業を通じて、人々のウェルビーイングの実現に向けて取り組んでいます。 詳細はコーポレートサイトwww.otsuka.co.jp をご覧ください。