大塚製薬株式会社
遺伝性血管性浮腫発作抑制薬「ドニダロルセン」 欧州医薬品委員会より承認勧告を受領
大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:井上 眞、以下「大塚製薬」)は、11月14日(現地時間)、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)より、遺伝性血管性浮腫(Hereditary Angioedema:HAE)の発作抑制薬として開発する「ドニダロルセン(INN:donidalorsen、開発コード: ISIS 721744)」 について、販売承認の勧告を受領しました。今回のCHMPによる承認勧告を受け、欧州委員会(EC)より67日以内に最終的な承認の可否が判断される予定です。
ドニダロルセンは、RNAを標的とした創薬におけるリーダーであるIonis Pharmaceuticals, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、CEO:Brett P. Monia, Ph.D.、以下「アイオニス」)が開発する、HAEの発作抑制薬です。大塚製薬は、成人および12歳以上の青年におけるHAEの遺伝性血管性浮腫発作の再発予防を適応として、ドニダロルセンの医薬品販売承認申請(MAA)を行い、2024年12月にEMAに受理されました。
HAEは、慢性的かつ生命を脅かす可能性のある稀な遺伝性疾患であり、四肢、顔面、腹部、性器、さらには喉頭にまで影響を及ぼす、再発性かつ予測困難な腫脹発作を伴います。これらの発作は、患者さんにとって深刻な健康上のリスクとなります。消化管や喉頭に浮腫が生じれば腹痛や息苦しさを引き起こし、重篤な場合には生命に関わる可能性もあります。5万人に1人の割合で発症するといわれるまれな疾患で、人種差はないと考えられており、約75%が家族性とされています*。
ドニダロルセンは、肝臓におけるプレカリクレイン(PKK)の産生を特異的に抑制するよう設計された、RNAを標的とする治療薬です。これにより、HAE発作につながる経路を遮断します。フェーズ3試験(OASIS-HAE試験およびOASISplus試験)では、オートインジェクターによる自己投与時を含め、月平均HAE発作率の有意かつ持続的な減少など、複数の評価項目において良好な結果が得られています。
大塚製薬は、2023年12月に本剤の欧州における独占的販売権をアイオニス社から取得するライセンス契約を締結。さらに2024年6月には、日本を含むアジア地域を対象エリアに追加する契約を締結しています。
大塚製薬は、本剤を欧州およびアジア地域のHAE患者さんに届けることで、未充足の医療ニーズの解消に貢献できるよう、引き続き尽力してまいります。
- *遺伝性⾎管性浮腫(Hereditary angioedema:HAE) 診療ガイドライン 改訂 2023 年版
https://square.umin.ac.jp/compl/common/images/disease-information/hae/HAEGuideline2023.pdf
大塚製薬株式会社について
大塚製薬は、一人ひとりの可能性に向き合うトータルヘルスケアカンパニーです。"Otsuka-people creating new products for better health worldwide"の企業理念のもと、未充足の医療ニーズに新たな価値を提供する医療関連事業と、科学的根拠をもった独創的な製品やサービスにより日々の健康維持・増進をサポートするニュートラシューティカルズ関連事業を通じて、人々のウェルビーイングの実現に向けて取り組んでいます。 詳細はコーポレートサイトwww.otsuka.co.jp をご覧ください。