齋藤薫のエクエルダイアリー
Equelle Diary

Vol.3 
肌磨きのマーケティング

あなたは最近、人から何かを褒められただろうか? 服でもいい。髪型でも、ネイルの色でも、どんな小さなことでもいい。思い出してみてほしい。いやきっと覚えているはず。人は褒められたことってなかなか忘れないものだから。
ただ、褒められて、嬉しくなって、その日ちょっと気分が良くなって、でもそれだけで終わらせてしまってはいないだろうか?

人から褒められることは、女性にとって何より重要な自分磨きの手段。何をしたら褒められて、何をしたら褒められなかったか? それを自らマーケティングして、次の自分づくりに丁寧に役立てて欲しいのだ。

例えばブルーの服を着ている日、「その服、素敵ね」と褒められた。そう言えば、「その服どこの?」と聞かれたのも、同じようなブルーの服だった。その時々、それぞれに嬉しかったけれど、2つを組み合わせて考えてみることはなかったかもしれない。

でもだから、こう考えてみたいのだ。自分にはブルーが似合うのかもしれないと。服を褒められるということは、その服が自分にとてもよく映えているということ。ブルーは特別に好きな色ではなかったけれど、これからは意識してブルーの服を選んでみよう……そういう分析ができること、そう気づけることが自分マーケティング。それが自分をどれだけ高めることになるのか考えてみてほしいのだ。

そして1番重要なのが、肌を褒められた日のこと。褒められた日、自分が何をし、何をしなかったか、どんなスキンケアをし、どんなベースメイクをしていたか。もっと言えば、どんなものを食べて、どんなサプリを飲んでいたか? よく眠れたのか? ストレッチはしたのか? さらには、過去に肌を褒められた日のことも思い出したい。その共通点は何だったのかと。

人は、自分のことを意外に知らない。「世界中で自分を直に見られないのは、自分だけ」と言うちょっと皮肉めいた格言があるくらい。つまり、自分に何が似合っているか、今日の自分はいつもより綺麗かどうか、そういうこともおしなべて、実はあまり見えていないのだ。

肌も同様。今日の肌がいつもより綺麗かどうか、意外だけれど客観的にみないとわからなかったりする。だからこそ、周囲からの評価を侮らない。しょっちゅう会っている人に肌を改めて褒められることは、これ以上ない位のキレイのヒントとなるはずなのだ。

まずはその日にしたこと、しなかったことを、すぐにまとめて忘れないこと。自分をキレイにしてくれたプログラムを、ちゃんと記憶しておくこと。そして過去に肌を褒められた日のプログラムと照らし合わせて、自分にとって最高のプログラムを作って欲しいのだ。美しい肌をもっと褒められるための……。
人は、褒められただけで、その喜びだけで充分にキレイになれる。でもその褒められた日の情報を、決して無駄にしないこと。確実にキレイになるための、とても大切な美容である。

美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『大人の女よ!もっと攻めなさい』(集英社インターナショナル)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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