齋藤薫のエクエルダイアリー
Vol7

“上向き”を心がけるのは、
心と体のエイジングケア。
だからまずは、頬を上向きに!

人の第一印象には、明らかな“向き”がある。上向きの印象か、下向きの印象か、誰もがどちらかの印象を何となくだけれど持っている。上向きの人は言うまでもなく、顔が上向き、頬自体が上向き、口角も上向き、だからいつも表情が上を向き、結果、存在そのものまでが上向き印象。いつも幸せそうだし、前向きにも見えるのだ。

逆に下向きの人は、頬も口角も下を向き、それだけで全体の印象が下向きに暗く見える。ちょっと不機嫌にも見える。当然のこととして、人を寄せ付けないようなオーラを放ってしまうから、人生レベルでとても損なのだ。印象としての向きが、どれほど大切かがわかってもらえたと思う。

ちなみに、いつも機嫌が良い人は絶対に若々しい。いつも不機嫌な人はその分だけ老けて見える。それもまた揺るがぬ事実。

じゃあ、あなたはどちらだろう。日常的に上向き印象を放っているのか、それとも下向き印象を放ってしまっているのか?いや意外に自分では気づいていないのかもしれない。意識して上向きをやっている人以外は、たぶん何の自覚もない、それが表情の向きというものだから。ただ年齢とともに、それぞれの向きが顕著になってくることだけは確かなのだ。

言い換えれば、年齢を重ねるほどに、上向きか下向きかの個人差も激しくなってくる。なぜなら、年齢とともに皮膚が緩んできて、キメが何となく下を向くのは、誰にでも平等に現れる1つの宿命。だから皆それだけで顔の印象が下向きに見え、放っておけば必ず下向きのベクトルが全身に浮かび上がってきてしまう。だからこそ逆に、それを打ち消すように年齢の分だけ意識して、上向きのベクトルを作るようにしなければいけないのだ。この上向きの心がけをしている人としていない人の差が、年々明快になってくるということ。

例えば髪型も、年齢とともにストレートのダウンヘアが何だか似合わなくなってくるのは、下向きのベクトルが勝ってしまうから。だから逆にトップにボリュームを作ったり、全体にふんわりとしたウェーブを施して、上向きのベクトルを作りたいのだ。

そして歩き方にもある上向き下向き。顎を心持ち上げ気味にして、前をまっすぐ向いて膝を曲げずに美しく歩く人はちゃんと上向きに見えるけれど、ちょっとうつむき加減にとぼとぼと歩けば明らかに下向き。だから歩く時はもちろん、どんな瞬間も体のあちこちで上向きを心がけたいのだ。

ただ何といっても、最大の上向きベクトルは、心が上を向くこと。心の中の向きとは言え、実は相手に見えている。隠したつもりでも見えてしまう。結局のところ、全身のあちこちの向きは、知らず知らず心の向きが操作しているからである。

つまり心が上を向けば、とても自然に頬も上を向く。表情全体が上を向く。それがいつの間にか、全身のアンチエイジングになっていることに気づくのだろう。心を上に向けておくだけで、目に見える若返りが全身に広がっていく。それはもう面白いくらい。商品に頼りきったアンチエイジングが不十分であるのも、実は心の向きが印象を大きく左右しているからなのだ。

そして言うまでもなく、心が上向きなら、決して不機嫌にはなれないし、逆に心が下向きのまま機嫌が良い自分は絶対作れない。そこは完全につながっていて、自分の意思ではどうにもならないのだ。

じゃあ、どうしても心が下を向いてしまう、と気づいたらどうするか?反対に、意識して頻を上向きにすること。不思議だけれど、顔の表情と心ははっきりつながっていて、どちらが先でも良いのである。頻さえ上を向けば、自ずと口角も表情も上を向いて、そして気がつけば心も上を向いている。結果、若々しくも見えるのだ。

上向きに生きていく約束、それは心も体も健康になる大切な決め手であること、知っておいてほしいのである。

美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『大人の女よ!もっと攻めなさい』(集英社インターナショナル)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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