齋藤薫のエクエルダイアリー
Vol12

キレイになる人は、
どんどんキレイになる……
加速度のスイッチをオンする方法

今、かつてないほどのトレーニングブームである。定額制で、一定期間内なら、何回行ってもいいという、いわゆる「サブスク」は、この世界ではもう常識。多くのジムが、何回来ても、という定額制を打ち出している。そうなった時、年がら年中通う人もいれば、ひとまず元が取れればという人もいる、通う頻度には大きな個人差が出てくるはずなのだ。

そして、暇さえあればのジム通いをする人には、おそらく“心と体の良循環”というものが既に生まれているのだろう。言うまでもないことだけれど、体は鍛えれば鍛えるほど、体を動かすことが好きになる。とすれば、そういう人がジムに行くのを億劫に感じているはずもなく、体は鍛えれば鍛えるほど、心も前向きになって、何をするのにでも積極的になる。
とても単純に筋肉が良い具合についてくれば、動きもキビキビし、出かけるための準備や、出かけていく道のり自体も苦にならない。だから頻繁にトレーニングに通って、ますます筋肉がつき、だから心も体もさらに動きが良くなるというふうに、プラスプラスのスパイラルが生まれるのは確かなのである。まるで何かのスイッチをオンしたように。

もちろん肌でも同じことが起きる。気づいていた人はもうとっくに気づいていたはずだけれど、キレイになる人ほど、どんどん加速度的にキレイになる。スキンケアでもインナーケアでも、始めてすぐ効果が見えると、誰もが一気にやる気になって、もっともっとキレイになろうとお手入れの意欲を高めていくから、さらにキレイになれるという良循環。まさにスイッチが入ったように、効果に弾みがつき、止まらなくなる。この仕組み自体もはや誰もが知る常識なのかもしれないが、この効果を侮ってはいけないのだ。

もっとわかりやすく言えば、キレイになったねと褒められると、単純に嬉しくなってもっとキレイにになろうとする、もっともっと一生懸命美容してまた褒められようとする。さらに褒められればさらに頑張ると言う良循環。これと同じスパイラルが、たとえ誰かに褒められなくても自分の中だけで起きると言うこと。

だからこそ、美容においては「即効性」というものが、とても重要なのである。使い始めて、飲み始めて、ひとまずすぐ何らかの変化があること……その変化こそが大切なのだ。

使い始めた翌朝に、何の変化もないとちょっとがっかりする。2日目も3日目も何も起こらなければ、今時はもう何か気持ちが萎えてしまうのかもしれない。それが翌日にはもう、肌が明るくなっているとか潤い感が目に見えるとか、毛穴が昨日より目立たないかもしれないとか、わずかでも手応えがあれば、それだけで必ずモチベーションが上がる。どんな小さな変化でも良いのだ。最初からそういう変化が得られるお手入れに出会えば、必ずスイッチが入るということ。

かつては、効果があるかないか、少なくとも2週間は見てほしいと言われた。言うまでもなく、肌の生まれ変わりのサイクル分だけは待つべきであると。いや、そこに関しては、今のスキンケアも同じなのかもしれない。けれども、化粧品は明らかに進化を遂げている。手応えをもたらすためのテクニックはもうちゃんと備えている。だから、お手入れする人の気持ちを鼓舞するための即効のテクノロジーには素直に喜んで欲しいのだ。

自分をいかに鼓舞するか、いかに希望を持たせ、やる気にさせるか、それも美容のうち、そこに生まれるキレイの差はもう計り知れない。それを決して侮ってはいけないのだ。そういう意味で即効性ある手応えが嬉しい物を探して、お手入れをやり直したい。キレイのスイッチをオンするために。

美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『大人の女よ!もっと攻めなさい』(集英社インターナショナル)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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