お薬を正しくご使用いただくために

献立をつくるにあたって

症状により、薬物療法(特殊アミノ酸製剤)を併用する場合、健常者と比べたんぱく質の摂取を多少控える必要があります。
そのため家庭においては患者さんの食事が優先され家族の負担となって食事療法が長続きせず中断したり、偏った食事や変化に乏しい食事のため患者さんのQOLを悪くしている場合が多く見られます。
今回は、家庭で手軽にできる料理を献立に取り入れ、患者さんと家族が献立を別にすることなく少し変化(プラス・マイナス)させるだけで一家団らんで食卓を囲むことができる献立を選んでみました。
旬の食材を中心に、色・香り・味を楽しめるテーブルコーディネートを考えてみませんか・・・
・・・とにかく、食事は「楽しく・美味しく」食べることが大切です。

1口メモ

食事学 五味偏勝(ごみへんしょう)なく

貝原益軒(かいばらえきけん) 養生訓より

五味偏勝をさける

儒学者、貝原益軒(1630~1714)の著書「養生訓」の巻第三飲食上の9項に「五味偏勝をさける」という一節がある。
五味とは、甘み・辛味・塩から味・苦味・酸味をさしており、益軒は健康を維持するためには、この五つの味のどの味に偏っても健康を害すと記している。
健康を守るためには、無理せず・無駄せず・ムラの無い生活を送ることが重要であり、特に食生活では、嗜好の偏りや食事量の多少などにより栄養過多や栄養失調を招くことがある。肝臓疾患の患者さんの栄養を管理する上では、質・量を含めた栄養バランスが最も重要です。また、食事は美味しく・楽しいものでなくてはなりません。そのためにも五味に旨味をプラスし「味のハーモニー」を奏でることが楽しい食生活を送る一つのコツと思います。

だし

和風のだしは日本の食文化の代表的なもので、ほとんどの料理の旨味はだしの「風味」と「コク」によって左右されるといっても過言ではありません。毎日の料理はだしをとることからはじめましょう。だしをとる時、かつお節と昆布の両方を合わせて使いますがそれは、それぞれ単独で使用するより、混ぜ合わせた方が旨味が強くなるからです。

昆布とかつお節でとる美味しい一番だしのとり方

材料
昆布10cm、削りかつお 15~20g、水4カップ(800mL)
作り方
1. 昆布の表面をかたくしぼったぬれ布巾でふき、横に切れめを入れ、分量の水を加えて中火にかけて煮立つ直前で昆布をとりだす
2. 火を弱めて削りかつおを入れ一煮えさせて火を止める
3. しばらく置き、かつおが沈めば布巾かペーパータオルでこす

二番だし

一番だしをとったあとの昆布と削りかつおに、水4カップ(800mL)と新たに削りかつおを10gを加えて中火にかけ、沸騰したら弱火にして2~3分煮て火を止め、しばらく置きかつおが沈んだら布巾かペーパータオルでこす

藤原政嘉

調理協力:辻学園調理・製菓専門学校
教授 春藤信也

献立をつくるにあたって音声解説 字幕

食事はたのしくおいしくが大切です。
旬の食材を中心に、色、香り、味を楽しめるテーブルコーディネートを、ぜひ患者さんも家族の方も考えて実施されていくことにお役に立てればと思います。