BCAAは運動パフォーマンスを向上させる?

BCAAの補給で運動パフォーマンスは向上する?

摂取したBCAAを運動中のエネルギー源として利用する

BCAAが効率的に運動時の筋肉エネルギー源として利用され、糖の利用が抑制されれば、乳酸の産生も抑制され、運動パフォーマンスの維持につながる可能性があります。

そこで、持久性運動能力の指標である、乳酸性作業閾値(LT値)に着目し、摂取したBCAAによって高まるのではないかという仮説を検証しました。

ヒトにおけるBCAA含有飲料摂取が乳酸性作業閾値に及ぼす効果

男性運動選手8名に対して、BCAA含有飲料もしくは、対照飲料を事前に6日間毎日3本摂取してもらい(BCAA 6,000mg/日)、7日目に自転車エルゴメーター※1による漸増運動負荷試験※2を行いました。
漸増運動負荷試験の15分前にBCAA含有飲料もしくは対照飲料を1本摂取してもらい、運動中の血中乳酸値を測定してLT値を算出、変動を調査しました。

  1. ※1自転車エルゴメーター:自転車に模した装置で、車輪を回転させ、それを運動負荷として負荷量と生物反応を観察するための装置(引用:朝倉書店 栄養・生化学辞典)
  2. ※2漸増運動負荷試験:少しずつ運動の負荷をあげていく試験

1つ目の図は代表的な1例のデータ。2つ目の図は全員のデータを平均値±標準偏差で示しました。
*は対象飲料に対する有意差(p<0.05)をあらわします。

出典:J.Nutr.Sci.Vitaminol p52,55,2009 一部改変

グラフにある様に、代表的な1例の結果をみてみると、対照飲料摂取に比べ、BCAA含有飲料摂取のLT値が右にシフトしており、平均値をみても、BCAA含有飲料摂取が対照飲料摂取に比べLT値が有意に増加していることがわかりました。

結論:BCAAの継続的な摂取で、持久的運動パフォーマンスの向上が可能

BCAAを効率的に利用できる体内環境を整えた状態でBCAAを継続的に摂取すると、BCAAが運動中のエネルギー源として効率的に利用され、持久的運動パフォーマンスが向上する可能性を示しています。