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大塚製薬株式会社

2013年7月17日

医療関連事業

Lu AE58054の臨床第II相試験において
アルツハイマー型認知症治療に有効性
アルツハイマー病協会国際会議(AAIC)でデータを発表

  • Lu AE58054は、アルツハイマー病治療薬としてルンドベック社と大塚製薬が共同開発している全く新規な作用機序を持つ選択的セロトニン5-HT6受容体拮抗剤。近年のアルツハイマー病研究の主流であるアミロイドおよびタウ仮説とは異なる、セロトニン5-HT6受容体に注目
  • 従来のアルツハイマー治療薬ドネペジルを服薬している患者にLu AE58054(1日90mg)を併用した臨床第II相試験のデータを発表。ADAS-Cogスコア※1においてプラセボ併用群と有意な差を示し、その認知機能改善効果を確認(p=0.0040)。臨床第III相試験は、2013年後半に開始予定
  • 認知症患者の数は世界全体で3,600万人と推定され、疾病費用は世界全体で推定6,040億米ドル(約60兆円、1ドル100円換算、2010年)。認知症の最も多い病型はアルツハイマー病で、60~80%の認知症患者がアルツハイマー型。高所得の国々の10大死亡疾患のうち、アルツハイマー病は4位で4.1%

大塚製薬株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岩本太郎、以下「大塚製薬」)とH.ルンドベックA/S(本社:デンマーク、コペンハーゲン、CEO:ウルフ・ウインバーグ、以下「ルンドベック社」)は、開発中のアルツハイマー病治療薬Lu AE58054の臨床試験データを、ボストンで開催されたアルツハイマー病協会国際会議(AAIC 2013)で2013年7月16日に発表しました。

臨床第II相試験は、6カ月間にわたるLu AE58054とドネペジルとの併用療法で、中等度アルツハイマー病患者の認知機能を改善することを確認しました。この試験におけるLu AE58054の忍容性は、全般的に良好でした。

ルンドベック社のエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼研究開発部門長を務めるアンダーズ・ゲーセル・ペデルセンは、「このプロジェクトで得られた結果にとても満足しています。Lu AE58054は、ルンドベック社がアルツハイマー病の領域で今後も強い存在感を示すものとなりました。今後行われる臨床第III相試験で、第II相試験の結果を検証し、この深刻な疾患に対して良好な結果が得られることを期待しています」と述べています。

大塚ファーマシューティカル D&C Inc.のCEO兼社長のウィリアム・カーソンは、「アルツハイマー病においてセロトニン5-HT6受容体およびその記憶や認知に果たす役割についての我々の研究は展望が明るく、引き続きルンドベック社と第III相試験を実施します」と述べています。

この臨床試験について

ドネペジルの併用薬としてLu AE58054の有効性および安全性を検討するこの臨床第II相試験は、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリアの中等度アルツハイマー病278人を対象に、多施設無作為化二重盲検並行群間プラセボ対照試験として、24週間の投与期間で実施されました。
ドネペジルと併用したLu AE58054群は、プラセボ群を併用した群と比較して、アルツハイマー病の認知機能を有意に改善することを示しました。

  • ドネペジルとLu AE58054(1日90mg)との併用群は、ドネペジルとプラセボの併用群と比較して主要評価項目であるADAS-Cogの24週後のスコアで認知機能を有意に改善した(p=0.0040)。24週時点でのLu AE58054群とプラセボ群とのADAS-cogスコア差の平均値は、-2.16(95%信頼区間-3.62~-0.69)であり、投与開始12週後から効果がみられた。
  • 全般の臨床印象度や生活活動度の副次評価項目は、24週時点でLu AE58054併用群の方がより改善する傾向にあったが、統計的有意差は認められなかった。
  • Lu AE58054群における忍容性は、全般的に良好であった。肝酵素(ALT、AST、GGT)上昇が少数の患者さんにみられたが無症候であり、治療を続行もしくは本試験から脱落した患者さんにおいては回復した。

7月16日に発表される抄録は、AAIC終了後、『Alzheimer’s and Dementia: The Journal of the Alzheimer’s Association』誌に掲載されます。

2013年後半に実施予定の臨床第III相試験では、軽症から中等度アルツハイマー病を対象に約3,000人の登録を予定しています。Lu AE58054は、ドネペジルと併用で複数用量(10-60mg)が用いられる予定です。試験はグローバルに行われ、最長3年間実施される見込みです。

参考資料

Lu AE58054について

Lu AE58054は、選択的セロトニン5-HT6受容体拮抗剤です。セロトニン5-HT6受容体は、皮質や海馬のような脳の認知機能に関わる領域に発現しています。セロトニン5-HT6受容体のリガンドにより複数の神経伝達系の活動を調節しています。Lu AE58054は、モデル動物において認知機能を改善させ、またアセチルコリンエステラーゼ阻害薬であるドネペジルの海馬機能に対する効果を増強させました。複数の先行試験にて、セロトニン5-HT6受容体拮抗剤がアルツハイマー病のような疾患の治療に有益である可能性を示したことから、ルンドベック社は2009年11月より上記の24週間投与の臨床第II相試験(中等度アルツハイマー病におけるドネペジルとLu AE58054の併用療法)を実施しました。

アルツハイマー病について

アルツハイマー病は、進行性の脳疾患で、脳機能が次第に低下していきます。65~70歳以上の高齢者に一般的にみられる病気です。アルツハイマー病の患者さんは、記憶、思考、機能や行動が悲惨なほど変化して、時間の経過とともに悪化し進展していきます。この変化はだんだんと日常生活に強く影響を与え、1人で生活することができなくなり、最後には生活の全てに介護を要します。アルツハイマー病は、介護者にも大きな影響を与えます。大抵の患者さんは、自宅で介護を家族から受けているのです。家族にとっては、精神的、身体的な負担となっています※2
アルツハイマー病は、脳の細胞障害や細胞死と関連しており、明らかに脳の萎縮と神経伝達のアンバランスがおきています。脳細胞が減少するときに、脳内の“プラーク”や“神経原線維変化”と呼ばれる特徴的な老廃物が蓄積します。
世界中に3,600万人の認知症の患者さんがいますが、その内の2,800万人もの患者さんが診断を受けておらず、治療、情報、介護が行き届いていません。毎年、推定で460万人が新しく認知症と診断されています※3。高齢者の人口割合が増えることで、認知症となる患者数は20年ごとにほぼ2倍にとなり、1億1,500万人にもなる予測となっています※4
認知症の最も多い病型はアルツハイマー病で、60~80%の認知症患者がアルツハイマー型です※5。世界の認知症に関する費用(2010年は6,040億米ドル;約60兆円、1ドル100円換算)は、世界全体の国内総生産(GDP)の1%以上となっています。
アルツハイマー病などの認知症は、高所得国で4番目に多い死亡原因となっており、上位10位の中で予防および治療が唯一不可能な疾患です。

  • ※1 アルツハイマー病評価スケール認知サブスケールアルツハイマー型認知症治療剤
  • ※2 Georges J, Jansen S, Jackson J, et al. Alzheimer's disease in real life — the dementia carer's survey. Int J Geriatr Psychiatry 2008; 23 (5): 546—551.
  • ※3 Ferri CP, Prince M, Brayne C, et al. Global prevalence of dementia: a Delphi consensus study. Lancet 2005; 366 (9503): 2112—2117.
  • ※4 Alzheimer’s Disease Internatio*nal. World Alzheimer Report 2011. The benefits of early diagnosis and intervention. Published by Alzheimer's Disease International (ADI), September 2011.
  • ※5 Alzheimer's Association. Basics of Alzheimer's disease: what it is and what you can do. 2010. Document accessible at: http://www.alz.org/national/documents/brochure_basicsofalz_low.pdf.

会社概要

H. ルンドベック A/S (H.Lundbeck A/S)

本ニュースリリースの掲載情報は、発表当時のものです。