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大塚製薬株式会社

2013年7月26日

医療関連事業

多剤耐性結核の治療薬として開発中の「デラマニド」
欧州医薬品委員会の見解について

大塚製薬株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岩本太郎、以下、「大塚製薬」)は、多剤耐性結核の治療薬として開発を進めている新規抗結核薬「デラマニド」(一般名)について、多剤耐性結核における標準治療(OBR※1)との併用療法として、欧州医薬品庁(EMA※2)の医薬品委員会(CHMP※3)より承認に対して否定的意見を受理しました。CHMPの意見は「デラマニド」を他の抗結核薬に上乗せした2カ月間の臨床後期第II相試験(204試験)では、「デラマニド」の有効性を判定するには実施期間が短いというものでした。

大塚製薬の抗結核薬グローバルプロジェクトリーダーである吉武益広専務執行役員は『今回の欧州医薬品委員会の意見については非常に残念ですが、承認申請として提出した内容は価値があると確信しています。大塚製薬は今後も引き続き結核事業に取り組み、当局との協議を重ね、「デラマニド」を必要とする多剤耐性結核患者さんへできるだけ早く提供できるよう邁進してまいります』と述べています。

大塚製薬は、抗結核薬の研究開発に30年以上取り組んでおり、結核治療薬の研究開発のみならず、結核の蔓延する国々での治験実施にあたり各国の治験実施施設と協力して治療環境を整えるための活動も行ってきました。日本では、2013年3月に製造販売承認の申請を行いました。今後は米国FDA※4への承認申請も行う予定です。

  • ※1 OBR = optimized background regimen
  • ※2 EMA = European Medicines Agency
  • ※3 CHMP = Committee for Medicinal Products for Human Use
  • ※4 FDA = Food and Drug Administration

参考資料

「デラマニド」の臨床試験について

「デラマニド」のEMAへの承認申請は、世界9カ国・17施設において実施された多剤耐性結核患者481名を対象として臨床第II相試験(204試験)と、2つの長期試験(208試験および116試験)の解析結果を基に行われました。204試験では、喀痰を培養し結核菌を検出することによる評価(SCC※5)を行っています。SCCは、その患者さんの喀痰から結核菌が消失し、結核の感染性がなくなったことを示す指標です。多剤耐性結核の標準治療(OBR)に「デラマニド」100mg(1日2回投与)を2カ月間上乗せすることで、53%のSCC向上が認められました※6。OBRでのみ治療された患者群では2カ月間治療を行った時点のSCCは29.6%でした。また、試験期間中に「デラマニド」を服用した多剤耐性結核や超多剤耐性結核の患者さんでは死亡率の低下もみられました※7

臨床第II相試験で、「デラマニド」を服用した多剤耐性結核患者さんの忍容性は優れており、副作用の発現頻度も比較群と同様でした。デラマニド投与群ではQTの延長が若干多くみられましたが、立ちくらみや不整脈は認められませんでした。

現在、結核の標準治療に「デラマニド」を6カ月間上乗せして検証する臨床第III相試験が進行しており、この試験ではHIV感染症例を含む多剤耐性結核患者さんも登録されています。この臨床第III相試験は、現在エストニア、ラトビア、リトアニア、モルドバ、ペルー、フィリピンと南アフリカの国々で症例登録を行っています。また、小児の多剤耐性結核患者さんを対象とした臨床試験が最近開始されました。さらに、小児・乳児に使用可能な「デラマニド」の崩壊錠の生物学的同等性試験も実施予定です。

  • ※5 SCC = sputum culture conversion
  • ※6 Gler MT, Skripconoka V, Sanchez-Garavito E, Xiao H, Cabrera-Rivero JL, Vargas-Vasquez DE, et al. Delamanid for multidrug-resistant pulmonary tuberculosis. New England Journal of Medicine. 2012 Jun 7; 366(23): 2151-60
  • ※7 Skripconoka, V., Danilovits, M., et al. Delamanid Improves Outcomes and Reduces Mortality for Multidrug-Resistant Tuberculosis. European Respiratory Journal. 2012 September.

「デラマニド」について

大塚製薬が創製した「デラマニド」は、ニトロ-ジヒドロ-イミダゾオキサゾールに分類され、結核菌の細胞壁を構成するミコール酸の生成を阻害することで効果を示す、新しい作用メカニズムを有する化合物です。

結核および多剤耐性結核について

結核は、感染力の高い、空気感染する感染症です。全世界の人口の約1/3が結核菌に感染していると推計されています。WHOの最新のレポートによると、約880万人が結核を発症し、約140万人が結核を原因として亡くなっています。
結核対策に対しては、多大な努力が行われていますが、依然として結核は公衆衛生上の大きな課題であり、過去20年の間には、これまでの第一選択薬が効果を示さない多剤耐性結核という新しい問題も生じています。薬剤の不足、品質、さらには服薬を途中で中断してしまうといった、結核の治療上の問題が、これらの耐性菌の出現に大きな影響を及ぼしています。多剤耐性結核は、毎年、約44万人の患者さんが発症し、15万人がこの疾患のために亡くなっていると推計されています※8。多剤耐性結核の86%は、世界の27カ国で起こっています。

  • ※8 WHOによるMultidrug and extensively drug-resistant TB (M/XDR-TB) - 2010 Global Report On Surveillance And Responseより

本ニュースリリースの掲載情報は、発表当時のものです。