大塚製薬株式会社
ユーシービージャパン株式会社

医療関連事業
2015年2月20日

新規抗てんかん薬「イーケプラ®」 部分発作の併用療法に加え、単剤療法の承認取得

  • 「イーケプラ®」は、単剤療法の承認を取得し、部分発作を有する4歳以上のすべての患者さんへの使用が可能となった。「イーケプラ®錠」は抗てんかん薬の国内売上シェアトップ※1で10万人以上の患者さんに使用されている。海外のガイドラインでは単剤療法での有効性エビデンスのレベルが高い薬剤と位置づけており※2、第一選択薬の一つとなっている
  • 国内にはてんかん患者さんが約100万人いるとされており、適切な診断に基づき薬物治療を継続すると70%以上の患者さんが発作のない生活を送ることができる。症状に合わせた適正な薬物治療を提供するために、副作用や薬物相互作用等の問題の少ない新規抗てんかん薬※3の単剤での治療が望まれてきた
  • 厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、「部分発作に対する単剤療法」の適応取得に向けた開発要望が関連学会より2012年3月に提出された。検討会議にて医療上の必要性が高いとの評価を得て2012年4月に開発要請があり、試験を実施し承認に至った

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:樋口達夫、以下「大塚製薬」)とユーシービージャパン株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:ジョエル・ピーターソン、以下「ユーシービージャパン」)が国内で共同開発・販売を行う「イーケプラ®錠250mg、同錠500mg、同ドライシロップ50%、イーケプラ点滴静注500mg(一般名:レベチラセタム)」について、既承認の併用療法から、レベチラセタム単剤での使用を可能にするための一部変更承認申請をユーシービージャパンが行い、「てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)」の効能・効果で承認を取得しました。

「イーケプラ®錠」は、てんかん患者さんの部分発作に対する他の抗てんかん薬との併用の適応で2010年に日本で発売し、既に10万人以上に使用され、抗てんかん薬の国内売上市場シェアが最も高い薬剤※1です。全世界においても100以上の国・地域で承認され、小児から高齢者まで幅広く処方されています。また点滴静注剤は2006年に欧州、米国で承認されたのをはじめ、既に40以上の国・地域で承認されています。日本においては2014年7月に承認されていますが、現在薬価未収載で発売はされていません。

てんかんは、「てんかん発作」と呼ばれる発作を繰り返し起こす大脳の慢性疾患です。脳内の神経細胞がいっせいに過剰に興奮し、突然強い電流を受けることで意識がなくなったり、手足がけいれんしたりするなどの「てんかん発作」が起こります。てんかんは、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢で発症する病気で、国や地域、性別や人種による発症率の違いはなく、有病率は約1%で、日本では約100万人のてんかん患者さんがいると言われています。

てんかんの治療は、主に薬物治療となりますが、適切な診断による薬物治療により70%以上の患者さんはてんかん発作のない生活を送ることができます。患者さんによっては小児期から長期にわたり薬剤を服用することになるため、発作に合わせた適切な診断や薬の効果を評価し、眠気、ふらつき、認知障害、皮膚症状などの副作用の少ない、より適正な薬剤の単剤療法が望まれてきました。

日本てんかん学会や日本小児神経学会は、「部分発作に対する単剤療法」の適応取得に向けた開発要望を厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」に提出しました。当検討会議より医療上の必要性が高いとの評価を得て2012年4月に開発要請があり、試験を実施し、この度の承認に至りました。

今回の国内承認は、「イーケプラ®」がてんかん患者さんの部分発作の適応症に対し、既承認の併用療法に加え単剤療法での使用を可能とするもので、部分発作を有する4歳以上のすべての患者さんに使用が可能となりました。「イーケプラ®」は、世界では部分発作の治療において他の抗てんかん薬との併用療法における標準的な治療薬として位置付けられるにとどまらず、海外の国際抗てんかん連盟(ILAE)のガイドラインでは単剤療法での有効性エビデンスのレベルが高いと評価されており※2、欧州では単剤療法開始時の第一選択薬の一つとして既に位置付けられています。

大塚製薬とユーシービージャパンは、「イーケプラ®」を共同開発・販売していく中で、患者さんを更にサポートできるように、今回の単剤療法の承認により、てんかんの治療の発展につながることを期待するとともに、引き続きてんかん治療をはじめとする中枢神経疾患治療への貢献を目指していきます。

  1. 1JPM2014年1月~12月を基に算出 ®2014IMSヘルス 無断転載禁止
  2. 2海外ガイドライン:ILAE: International League Against Epilepsy(国際抗てんかん連盟)、Epilepsia,、54(3):551-563、2013、英国NICE2012など
  3. 3新規抗てんかん薬:日本において2006年以降に発売したイーケプラを含む抗てんかん薬

日本におけるイーケプラの開発・申請・承認状況

日本におけるイーケプラの開発・申請・承認状況

「イーケプラ®」について

「イーケプラ®」は、1980年代初期にユーシービー社(ベルギー)で発見された中枢作用物質で、従来の抗てんかん薬と異なる作用機序を有する抗てんかん薬です。海外では「Keppra®」のブランド名で1999年に米国、続いて2000年に欧州で発売され、全世界で600万人の使用経験がある抗てんかん薬です。

日本では、ユーシービージャパンと大塚製薬が提携し、「イーケプラ®」を共同開発し、2010年9月から「成人てんかん患者の部分発作に対する併用療法」で共同販売を開始しました。2013年5月に小児用量が追加承認、6月に「イーケプラ®ドライシロップ50%」が承認され8月に発売しました。また2014年7月に手術などで経口服薬できない患者さんのために注射剤の承認を取得しましたが薬価未収載で発売はしておりません。現在、強直間代発作の併用療法に対しても、国内第Ⅲ相臨床試験を実施中です。2015年1月現在、「成人てんかん患者の部分発作に対する併用療法」の適応では、欧米をはじめ100以上の国・地域で承認され、「小児てんかん患者の部分発作に対する併用療法」の適応でも欧州をはじめ80以上の国・地域で承認されており小児に対しても広く使用されています。

なお欧米では、成人部分発作だけでなく、ミオクロニー発作及び強直間代発作に対する併用療法について承認されております。また2006年8月に欧州で成人てんかん患者の部分発作に対する単剤療法としても承認され、近年、海外のガイドラインで単独療法の有効性で高く評価されており※2、単剤療法開始時の第一選択薬の一つとして位置付けられています。

てんかんについての情報

てんかんinfo」:
てんかん発作の動画(イメージ)をみることができます。

Epi Diary」:
また、てんかん治療における医師とのコミュニケーションに役立つてんかん発作日誌アプリの「Epi Diary」もご参照ください。