大塚製薬株式会社

医療関連事業
2016年7月5日

胃腹部CT用新規経口消化管造影剤「Oraltag」米国で発売

  • 「Oraltag(オーラルタグ)」は、東欧子会社のインターファーマプラハ社が、広く使われているヨード系非イオン性イオヘキソールを溶けやすい粉末製剤として開発し、目盛付きのプラスチックボトルに入れた新規造影剤
  • 従来、イオヘキソール造影剤を胃腹部CT検査時に経口で用いる場合、注射用造影剤をコップなどに入れ水で希釈して使用するため、調整が煩雑で、また取り違えの問題や管理上不衛生な点があり、改良のニーズが存在していた
  • 米国での胃腹部CT検査では、飲みやすく安全性の高いイオヘキソール造影剤が近年増加しており、製剤改良により今後検査の簡便化が期待される

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:樋口達夫)は、当社の100%子会社であるインターファーマプラハ社(本社:チェコ共和国プラハ市、President & CEO:眞木洋介、以下「IPP社」)が開発した胃腹部CT用経口消化管造影剤「Oraltag(オーラルタグ)」(一般名:イオヘキソール)を外科、放射線治療、イメージング機器関連製品に強みを持つBeekley Medical(ビークリー・メディカル)社を通じて、7月から米国で販売します。IPP社は、2015年3月に米国FDAから「Oraltag」の承認を取得していました。

Oraltag™ 製品写真

「Oraltag」は、1回の検査に使用するイオヘキソールの粉末が目盛り・キャップ付きのプラスチックボトルにあらかじめ入っており、水または他の飲料で正確に用量調整することができ、調整後も持ち運びやすく、無味で飲みやすい製剤です。また、溶けやすい粉末であるため調整時間が短くて済みます。本製品の使用によって検査に携わる医療従事者の作業が簡便になり、患者さんにとっての負担も軽減できます。

米国での胃腹部CT検査では、バリウムやヨード系イオン性の経口造影剤が古くから使われていましたが、味や安全性の面からより使いやすいヨード系非イオン性造影剤が近年増加傾向にあります※1。しかし非イオン性消化管造影剤であるイオヘキソール注射剤(液体)は、目盛りのないコップなどに必要量注ぎ希釈して使用されているため、操作が煩雑で正確な用量調整が難しく、取り違えの問題や管理上不衛生な点があるなど、改良のニーズが存在していました。

IPP社は、診断のための造影剤の研究開発、製造のプロセス開発、および原末生産の高い技術を持ち、今後も正確で迅速な検査で医療に貢献できる新規造影剤や医薬品の研究開発・製造技術向上に取り組んでまいります。

  1. 1Horton, K.M. et al, The use of iohexol as oral contrast for computed tomography of the abdomen and pelvis. J. Comput. Assist. Tomogr., 32, 207-209, 2008