大塚製薬株式会社

医療関連事業
2018年1月29日

大塚製薬が開発中の新規抗結核薬を用いた
新しい治療指針に対して助成金を受領

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:樋口達夫、以下「大塚製薬」)の米国子会社である大塚ファーマシューティカル D&C Inc.(本社:米国・ニュージャージー州、以下「OPDC」)は、大塚製薬創製のデラマニド(製品名:デルティバ)と新規結核治療薬OPC-167832(開発コード)の組み合わせを土台とした新規結核レジメンの開発を支援するとして、ビル&メリンダ・ゲイツ財団から1,000万米ドル(約11億円)の助成金を受領しました。

当財団は、世界の結核撲滅を最重要課題のひとつに掲げて助成を行っており、このたびの助成金は結核薬開発を行う民間の団体に対して与えられた最高額のものです。これにより、OPDCは、世界保健機関(World Health Organization)が推奨する結核治療レジメンのプロファイル(Target Regimen Profiles :TRP)を満たすべく、すべての結核患者さんが使用できる新規結核治療レジメン(Pan-TB regimen)の開発を加速します。

大塚製薬抗結核グローバルプロジェクトリーダー 山﨑慶三は、「大塚製薬は長年にわたり結核の研究開発をグローバルに実施してきました。このたび、OPDCとビル&メリンダ・ゲイツ財団が提携し、新たな治療レジメンの開発を推進できることをたいへん光栄に思います。ともに世界標準の治療方法を確立することは、結核の撲滅に向けた大きな礎になると期待しています」と述べています。

大塚製薬は、今後も世界中の未解決の医療ニーズを満たすため、革新的な製品をお届けしてまいります。

<WHOのTRPについて>

WHOのTRPは、世界中の産官学の様々な研究者により策定された、より安全かつ効果的な結核治療のため、今後開発されるべき結核治療法を示した手引きです。

<OPC-167832について>

OPC-167832は、結核菌の細胞壁の合成に必須な酵素であるDprE1の阻害作用を持つ、大塚製薬が創製した新規化合物です。この作用機序はデラマニドを含む既存の抗結核薬とは異なる新規なものです。

<デラマニドについて>

大塚製薬が独自に創製した「デラマニド」は、ニトロ-ジヒドロ-イミダゾオキサゾールに分類され、結核菌の細胞壁を構成するミコール酸の生成を阻害することで効果を示す、新しい作用メカニズムを有する化合物です。現在までに欧州、日本、韓国、香港、トルコ、フィリピン、インドで承認されています。2015年にWHOの必須医薬品リストに掲載されました。大塚製薬は2016年にストップ結核パートナーシップの世界抗結核薬基金と連携してデラマニドを100カ国以上に供給できる体制を構築し、現在までに70カ国以上で4,000例以上の多剤耐性結核の治療に使用されています。また昨年南アフリカでは、デラマニドを必要とする多剤耐性結核の患者さんに薬事承認前にいち早く届けるための政府主導のデラマニド・アクセスプログラムが開始されました。