大塚製薬株式会社
H. ルンドベックA/S

医療関連事業
2018年6月4日

新規抗精神病薬「ブレクスピプラゾール」
統合失調症の適応で欧州医薬品委員会より承認勧告を受領

  • 新規抗精神病薬「ブレクスピプラゾール」について、昨年3月に統合失調症の適応で欧州に申請していたが、2018年6月1日、医薬品委員会(CHMP)より承認勧告を受領。今後、欧州委員会により販売承認について最終的に判断される
  • 「ブレクスピプラゾール」は、大塚製薬が創製した新規作用機序を有する抗精神病薬で、ルンドベック社とグローバル・アライアンス契約を締結。米国では成人の大うつ病の補助療法と統合失調症の2つの適応で承認済。カナダ、日本でも統合失調症の適応で承認されている

大塚製薬株式会社(本社:東京都、以下「大塚製薬」)とH.ルンドベックA/S(本社:デンマーク、コペンハーゲン、以下「ルンドベック社」)は、「ブレクスピプラゾール(一般名)」について、医薬品委員会(CHMP)より、6月1日、成人の統合失調症の適応で承認勧告を受領しました。今後67日以内に、欧州委員会により販売承認について最終的に判断される予定です。

「ブレクスピプラゾール」は、大塚製薬が創製した新しい作用機序を有する化合物で、2011年よりルンドベック社と共同開発しています。ドパミンD2受容体およびセロトニン5-HT1A受容体に結合してパーシャルアゴニストとして働き、セロトニン5-HT2A受容体にはアンタゴニストとして働くSerotonin-Dopamine Activity Modulator(SDAM)と呼ばれる新しい作用機序を有しています。今回の成人統合失調症に関する新薬承認申請内容では、フェーズ2および3のグローバル臨床試験で本剤を投与された3,100人以上の患者さんのデータが含まれており、プラセボに比較して精神症状の有意な改善と良好な安全性および忍容性が確認されています。

本剤は、2015年7月に米国で成人の大うつ病の補助療法と統合失調症の2つの適応で承認され、大塚製薬とルンドベック社がグローバル・アライアンス契約のもと、「REXULTI(レキサルティ)」という製品名で共同販売を実施しています。カナダでも、2017年2月に成人統合失調症の適応で承認を取得しました。また日本では、本年1月に製造販売承認を取得し、4月から販売を開始しています。

大塚製薬とルンドベック社は、今後も中枢神経領域において、世界中の未解決の医療ニーズを満たすため、革新的な製品をお届けしてまいります。

【臨床試験結果について】
「ブレクスピプラゾール」の成人の統合失調症に対する有効性と安全性は、6週間のランダム化比較試験と52週間の長期投与試験で確認されました。ランダム化比較試験では、プラセボと比較して統計学的に有意に有効性を示し、統合失調症症状の重要度を測る評価スケールである陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)の評価項目を達成しました。また、長期投与試験では、プラセボと比較して安定した治療の維持と良好な忍容性を示しています。

【統合失調症について】
統合失調症は、考えや気持ちがまとまらなくなる状態が続く精神疾患です。妄想、幻覚、思考障害、感情の平板化、意欲の欠如などの症状が現れ、結果として社会生活や就業への障害となります。思春期から40歳くらいまでに発病しやすく、一生涯にわたる治療が必要になることがあります。しかし、病識の欠如や、アカシジア、鎮静、体重増加の副作用等により毎日の服薬継続は難しく再発につながっています。そのため、より安全性や忍容性の高い薬剤が求められています。統合失調症の患者さんは欧州で約500万人といわれています。