大塚製薬株式会社

医療関連事業
2019年9月27日

アルツハイマー型認知症に伴う行動障害(アジテーション)を対象とした
2本目の「AVP-786」のフェーズ3試験結果速報について

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:樋口達夫、以下「大塚製薬」)は、米国子会社アバニア社が開発している新規化合物「AVP-786」のアルツハイマー型認知症に伴う行動障害(アジテーション)を対象とした、有効性、安全性および忍容性を検討する2本目のフェーズ3試験の結果速報をお知らせします。

本試験は、中等度から重度のアルツハイマー型認知症に伴うアジテーション症状を有する患者さんを対象とした12週間の多施設共同、ランダム化、プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験です。試験の結果、AVP-786群でプラセボ群に比べ、主要評価項目であるCMAI(Cohen-Mansfield Agitation Inventory:アジテーション症状29項目の出現頻度を評価する指標)と主要な副次的評価項目ともに、統計学的に有意な改善は見られませんでした。プラセボ群と比較して頻度が高く、かつ5%以上で見られた有害事象は、転倒、尿路感染、傾眠でした。投薬に関連すると思われる死亡例はありませんでした。

アバニア社代表取締役社長兼CEOのワイエル・ハシャドは「AVP-786の臨床プログラムに参加していただいた多くの患者さん、介護者、医師、その他試験に関係された皆様に心から感謝しています。今後、終了した2つのフェーズ3試験のすべての結果を詳細に解析し、最良の道を検討してまいります」と述べています。

AVP-786について

AVP-786は、重水素化したデキストロメトルファン(d6-DM)とキニジンを配合した新規化合物です。重水素化により、チトクロームP450(CYP2D6)による代謝が低減されd6-DMの血中安定性が高まります。AVP-786は、中等度から重度のアルツハイマー型認知症に伴うアジテーション症状を対象とした臨床試験のほか、統合失調症陰性症状および外傷性脳損傷においても臨床試験を実施中です。

AVP-786のフェーズ3試験デザインについて

今回の試験(15-AVP-786-302)は、12週間の多施設ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験として実施されました。本試験には、中等度から重度の行動障害(アジテーション)にあり、アルツハイマー型認知症の可能性が高い50~90歳の米国およびカナダの患者522人が登録されました。地域社会の中であるいは、施設でケアを受けられる環境にある患者さんが対象となっています。患者さんはAVP-786の2用量の群、プラセボ投与群にランダムに振り分けられています。
また、本試験とは別に、同様なデザインのフェーズ3試験(17-AVP-786-305)が進行中です。2019年3月には、Sequential Parallel Comparison Design(SPCD)を用いたフェーズ3試験(15-AVP-786-301)のトップライン結果を開示しました。

アバニア社について http://www.avanir.com

アバニア社(米国カリフォルニア州)は、アンメットメディカルニーズのある中枢神経疾患領域に注力した開発を行っています。2015年1月に大塚製薬の子会社となり大塚グループの傘下に入りました。