大塚製薬株式会社

医療関連事業
2021年3月16日

治療抵抗性うつ治療薬「アールケタミン」の日本国内におけるライセンス契約締結について

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:井上眞、以下「大塚製薬」)は、Perception Neuroscience, Inc. (本社:米国ニューヨーク州、CEO:Terence Kelly、以下「パーセプション社」)が治療抵抗性うつ病治療薬として開発する「アールケタミン(開発コード:PCN-101)」について、日本国内における独占的開発販売権をパーセプション社から取得するライセンス契約を締結しましたので、お知らせします。

ケタミンは、麻酔薬として世界保健機関(WHO)による必須医薬品とされています。2000年に米エール大学が、ケタミン点滴静注が治療抵抗性うつ病患者さんに対して即効性抗うつ作用を示すことを報告したことから、ケタミンのうつ病に対する治療効果が注目されています。ケタミンはR体とS体の2つの光学異性体があり、S体は米国と欧州で、成人治療抵抗性うつ病および希死念慮/自殺企図を有する大うつ病の治療薬として承認されています。一方、千葉大学社会精神保健教育研究センター 橋本謙二教授のグループではR体に注目し、R体にも抗うつ効果がある可能性を報告しています。2017年、パーセプション社は千葉大学より特許の許諾を受け、現在「アールケタミン」として海外で開発を進めています。

今回の契約締結により、大塚製薬はパーセプション社に対して契約一時金20百万米ドルに加え、開発目標達成および売上高の達成目標に応じたマイルストーンを支払います。今後の日本国内における臨床試験は大塚製薬が自社の費用で実施します。また、販売は大塚製薬が独占的に実施し、売上高に応じたロイヤルティをパーセプション社に支払います。

大塚製薬は、中枢神経領域を最重点領域の一つとして、レキサルティ、エビリファイメンテナなど抗精神病薬のグローバル製品を中心に、世界初のデジタルメディスンにも積極的に取り組んでいます。日本国内のうつ病では、既存薬で効能を持つエビリファイに続き、レキサルティの効能追加およびOPC-64005で臨床試験を実施しています。治療抵抗性うつ病への効果が期待できる本剤が開発品目に加わることで、中枢神経領域におけるポートフォリオのさらなる強化を目指してまいります。

  • パーセプション社の概要

会社名:Perception Neuroscience, Inc.(パーセプションニューロサイエンス インク)
所在地:米国ニューヨーク州
設 立:2017年
概 要:精神神経疾患の開発および事業化に特化したベンチャー企業