大塚製薬株式会社

医療関連事業
2021年3月30日

腎性貧血治療薬「バダデュスタット」 米国で製造販売申請を提出
- 透析期および保存期における成人の慢性腎臓病に伴う貧血の適応で - 

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:井上眞、以下「大塚製薬」)は、アケビア・セラピューティクス・インク(本社:米国マサチューセッツ州・ケンブリッジ、社長兼CEO:ジョン・P・バトラー、以下「アケビア社」)と共同で開発を進めている経口の腎性貧血治療薬「バダデュスタット(一般名)」について、アケビア社が、透析期および保存期における成人の慢性腎臓病(CKD)に伴う貧血の適応で、米国FDAに新薬承認申請(NDA)を提出したことをお知らせします。

大塚製薬の専務取締役 医薬品事業担当 カビア・ナスは「当社はサムスカ/ジンアークを中心に循環器・腎領域を最重点領域の一つとしてグローバルに展開しています。アケビア社が創製した経口の腎性貧血治療薬である本剤が当社のポートフォリオに加わることで、慢性腎臓病を患う患者さんの標準治療法に利便性の高い新たな選択肢をお届けできることを楽しみにしています」と述べています。

両社は、2016年に米国における共同開発・共同販売の契約を締結しています。2017年の契約拡大に伴い、欧州では両社が共同開発および大塚製薬が販売、日本と中南米を除くその他の地域*では、大塚製薬が独占的に開発および販売を実施する権利を有しています。

  • *田辺三菱製薬株式会社がライセンスを取得している日本・アジアの国および地域(台湾、韓国、シンガポール、マレーシア、インドネシア他)以外の国

【参考】

バダデュスタット(vadadustat:アケビア社保有)について

低酸素誘導性因子(Hypoxia Inducible Factor;HIF)の分解酵素である低酸素誘導性因子プロリル水酸化酵素(HIF Prolyl Hydroxylase ; HIF-PH)を阻害することにより、エリスロポエチン転写因子であるHIFを安定化・調整する働きをします。HIFは、酸素濃度の変化に応答し、赤血球の産生に関与する遺伝子発現を制御します。バダデュスタットは、標高が高くなって酸素濃度が低下した時に、人体が低酸素状態に自然に適応するメカニズムと同じ作用で働きます。人体は低酸素状態では、HIFの産生を上昇させます。このHIFはエリスロポエチン産生を導くのみでなく鉄輸送能を改善する働きもあるので相互依存的プロセスを調整することで、赤血球の産生を高め、結果として酸素運搬を改善します。