大塚製薬株式会社

医療関連事業
2026年1月21日

遺伝性血管性浮腫発作抑制薬「DawnzeraTM」 欧州で販売承認を取得

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:井上 眞、以下「大塚製薬」)は欧州委員会(EC)から、成人および12歳以上の青年を対象とした遺伝性血管性浮腫(Hereditary Angioedema: HAE)の再発予防を適応として、「Dawnzera™」(一般名:ドニダロルセン(INN:donidalorsen、開発コード:ISIS 721744) )の販売承認を取得しましたので、お知らせします。本承認は、2025年11月に医薬品委員会(CHMP)が示した販売承認勧告に基づいており、欧州連合(EU)加盟27カ国に加え、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーにも適用されます。

ドニダロルセンはHAE患者さんを対象とした、初の RNA を標的とする治療薬です1。肝臓におけるプレカリクレイン(PKK)の産生を特異的に抑制し、HAE発作につながる経路を遮断します。

HAEは、慢性的かつ生命を脅かす可能性のある稀な遺伝性疾患であり、四肢、顔面、腹部、性器、さらには喉頭にまで影響を及ぼす、再発性かつ予測困難な腫脹発作を伴います2。HAE患者さんの約半数は10歳までに初回の症状が現れ、さらに大多数の患者さんが18歳までに症状の出現または初回発作を経験すると報告されています3。HAE患者さんでは、不安や抑うつが一般的にみられますが、これは発作の予測不能性や頻度、重症度に起因することが多いとされています4,5,6

今回の承認は、ドニダロルセン80mgを4週間ごとまたは8週間ごとに投与し、有効性と安全性をプラセボと比較した二重盲検・無作為化フェーズ3試験(OASIS-HAE試験、n=90)の結果に基づいています。

フェーズ3試験(OASIS-HAE試験)の結果

  • ドニダロルセン80mgを4週間ごとに24週間にわたり投与した群では、4週間あたりのHAE平均発作回数がプラセボ群と比較して81%低減し、主要評価項目を達成した1。(平均発作回数:0.44 vs 2.26) また、ドニダロルセン80mgを8週間ごとに24週間にわたり投与した群では、4週間あたりのHAE平均発作回数がプラセボ群と比較して55%低減した1。(平均発作回数:1.02 vs 2.26)
  • HAEの疾患コントロール状況を評価するAngioedema Control Test(AECT)では、24週時点において、4週間ごとに投与した群の91%が「疾患コントロール良好」と判定されたのに対し、プラセボ群は41%だった1
  • QOL(生活の質)を評価するAngioedema Quality of Life(AE-QoL) Questionnaireでは、24週時点において、4週間ごとに投与した群の総スコアの平均値がベースラインから24.8ポイント改善するなど、QOLの向上が示された1
  • 安全性について重大な懸念は認められず、4週間ごとに投与した群と8週間ごとに投与した群で有害事象のプロファイルは類似していた1。ドニダロルセン投与群で最も多く報告された有害事象は、注射部位反応、肝酵素上昇、過敏症(アナフィラキシーを含む)だった7

ドニダロルセンはIonis Pharmaceuticals, Inc. (本社:米国カリフォルニア州、CEO:Brett P. Monia, Ph.D.、以下「アイオニス社」)が臨床開発を進めており、米国では2025年8月に承認され、既に上市されています。大塚製薬は、2023年に欧州におけるドニダロルセンの独占的販売権をアイオニス社から取得するライセンス契約を発表しました。さらに2024年には、日本を含むアジア地域を対象エリアに追加する契約を締結しています。大塚製薬は希少疾患領域における専門性とグローバルな商業基盤を活かし、今後の市場導入に向けた準備をアイオニス社と連携しながら進めています。

大塚ファーマシューティカルヨーロッパ CEOのAndy Hodgeは、「ドニダロルセンが欧州委員会に承認されたことを、大変誇りに思います。この承認は、難治性の希少疾患に関わる未充足の医療ニーズの解消を目指して大塚製薬とアイオニス社が取り組んできた協業の中で、重要なマイルストーンとなるものです。HAE患者さんに本剤を届けるために尽力してきたすべての関係者の方々に、心より感謝申し上げます」と述べています。

Dawnzera™(ドニダロルセン)について

ドニダロルセンは、遺伝性血管性浮腫(HAE)患者さんを対象とした、皮下投与によるファースト・イン・クラスの RNA を標的とする治療薬です1。リガンド結合型アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)で、肝臓におけるプレカリクレイン(PKK)の産生を抑制することで、HAE発作につながる経路を遮断します1。ドニダロルセンは、米国食品医薬品局(FDA)より成人および12歳以上の青年における HAE発作予防の適応で2025年8月に承認を取得しています9

遺伝性血管性浮腫(HAE)について

遺伝性血管性浮腫(HAE)は、欧州で約15,000人が罹患する、慢性的かつ生命を脅かす可能性のある遺伝性疾患です10。HAE は、C1エステラーゼインヒビター(C1-INH)の先天的な欠損または機能不全によって生じ、これにより血漿カリクレイン‐キニン系が制御不能に活性化し、ブラジキニンが過剰に産生されることで発症します11,12,13。HAEの症状は通常、幼児期または青年期に始まり、なかには2歳という早い時期に初発症状を経験する人もいます5,9

大塚製薬株式会社について

大塚製薬は、一人ひとりの可能性に向き合うトータルヘルスケアカンパニーです。"Otsuka-people creating new products for better health worldwide"の企業理念のもと、未充足の医療ニーズに新たな価値を提供する医療関連事業と、科学的根拠をもった独創的な製品やサービスにより日々の健康維持・増進をサポートするニュートラシューティカルズ関連事業を通じて、人々のウェルビーイングの実現に向けて取り組んでいます。 詳細はコーポレートサイトwww.otsuka.co.jp をご覧ください。

  1. 1.Riedl MA, et al. N Engl J Med 2024;391(1):21-31.
  2. 2.Raasch J, et al. World Allergy Organ J 2023;16(6):100792.
  3. 3.HAE International. Attack Triggers. Available at: https://haei.org/what-is-hae/attack-triggers/ Accessed December 2025
  4. 4.Chong-Neto HJ, World Allergy Organ J 2023;16(3):100758
  5. 5.Busse P, et al. J Allergy Clin Immunol Pract 2021;9(1):132-150.e3
  6. 6.Banerji A, et al. Ann Allergy Asthma Immunol 2020;124:600-607.
  7. 7.European Medicines Agency. Dawnzera. Available at: https://www.ema.europa.eu/en/medicines/human/EPAR/dawnzera Accessed December 2025 Accessed December 2025
  8. 8.Riedl MA, et al. J Allergy Clin Immunol Pract 2025;13(9):2381-2389.
  9. 9.U.S. Food and Drug Administration. Orphan Drug Designations and Approvals - Donidalorsen. Available at: https://www.accessdata.fda.gov/scripts/opdlisting/oopd/detailedIndex.cfm?cfgridkey=961723 Accessed December 2025
  10. 10.Lumry WR. Hereditary angioedema: the economics of treatment of an orphan disease. Front Med (Lausanne). 2018;5:22.
  11. 11.Maurer M, et al. Allergy 2022;77(7):1961-1990.
  12. 12.Santacroce R, et al. Review J Clin Med 2021:10(9):2023.
  13. 13.Longhurst HJ, Bork K. Br J Hosp Med (Lond) 2019:2;80(7):391-398.