大塚製薬株式会社
IgA腎症治療薬「VOYXACT®(シベプレンリマブ)」フェーズ3試験において2年間にわたりeGFR(推算糸球体濾過量)を改善- 腎不全への進行抑制効果と腎機能改善効果を示す -
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シベプレンリマブは、APRIL阻害薬として世界で初めて、2年間にわたりプラセボと比較して、腎機能の指標であるeGFR(推算糸球体濾過量)を統計学的に有意に安定させ、腎機能改善効果を示した
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この結果は、シベプレンリマブが長期的な腎機能の保護効果によりIgA腎症患者の治療結果を改善することを示唆するものである。本剤は、腎不全への進行リスクを大幅に低減し、これによりAPRILを選択的に阻害する治療アプローチの有用性が裏付けられた
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本剤は、製品名「VOYXACT®」として、2025年11月にIgA腎症の成人患者におけるタンパク尿の減少の適応で、米国食品医薬品局(FDA)から迅速承認を取得している。このたび、フェーズ3試験の全データが揃い、本剤の正式承認取得に向けて米国FDAに提出している生物製剤承認一部変更申請(sBLA)の段階的審査における重要なマイルストーンを達成した
大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:井上眞、以下「大塚製薬」)と米国子会社のOtsuka Pharmaceutical Development & Commercialization, Inc.(所在地:米国ニュージャージー州・プリンストン、以下「OPDC」)は、成人のIgA腎症治療薬シベプレンリマブ(一般名)におけるフェーズ3(VISIONARY)試験(NCT05248646)の全試験期間(24カ月間)にわたる結果速報が良好であったことをお知らせします。
本試験は、疾患進行リスクを有する原発性IgA腎症の成人患者を対象としており、eGFR(推算糸球体濾過量)の年間変化率(annualized slope)およびベースラインからの平均変化において、シベプレンリマブはプラセボ群と比較して2年間にわたり腎機能を改善し、統計学的に有意な腎機能の安定化を達成しました。これらの結果は、年間の腎機能低下を正常な速度(1 mL/min/1.73 m²/年未満)に抑えるという、腎臓病治療の国際ガイドライン(KDIGO)の治療目標に合致するものです。
シベプレンリマブは良好な忍容性を示し、安全性プロファイルはこれまでの中間解析結果と一貫しており、プラセボ群と同程度でした。VISIONARY試験で得られたこれらのデータは、米国FDAによる正式承認(Traditional Approval)の取得を目的とした生物製剤承認一部変更申請(sBLA)のほか、世界各国におけるシベプレンリマブの承認申請のため、各規制当局へ提出されます。また、詳細な解析結果は、今後開催される国際学会で発表する予定です。
OPDCの上級副社長兼医学責任者であるJohn Krausは、「IgA腎症は進行性の腎機能低下を特徴とする疾患ですが、シベプレンリマブが2年間にわたり腎機能の維持だけでなく改善まで達成したことは、IgA腎症患者さんにとって重要な治療上の前進を意味します。今回のVISIONARY試験の良好な結果は、シベプレンリマブが統計学的に有意で、かつ臨床的にも意義のある腎機能の安定化を示しており、本剤が単なる症状改善を超えて、疾患進行を根本的に抑制する可能性を裏付けるものです。今回の知見は、広範なB細胞の枯渇を引き起こすことなく、IgA腎症の病態の根底にある機序に作用する疾患修飾的治療アプローチとして、選択的APRIL阻害の有用性をさらに支持するものです。また、長期的な腎機能の改善につながる可能性を示すエビデンスを一層強化する結果となりました。私たちは、米国におけるシベプレンリマブの正式承認取得に向けた生物製剤承認一部変更申請(sBLA)の審査を進める中で、引き続きFDAと協力してまいります。また、VISIONARY試験の詳細な解析結果を学術コミュニティに共有できることを楽しみにしています」と述べています。
【VOYXACT(一般名:シベプレンリマブ)について】
VOYXACTは、米国FDAの承認を取得した初めての、かつ現在唯一の選択的APRIL阻害薬であり、IgA腎症の疾患進行に関与する主要な病態メカニズムを標的とする治療薬です。VOYXACTは、フェーズ3 VISIONARY試験において、9カ月時点でプラセボ群と比較してタンパク尿を統計学的に有意に減少させるという主要評価項目を達成したことを受け、2025年11月に米国FDAより迅速承認を取得しました。今回得られた2年間(24カ月)のeGFRに関する主要な副次評価項目の結果は、選択的APRIL阻害がIgA腎症に対する標的治療アプローチとして有用であることを裏付けるものです。このアプローチは、B細胞を枯渇させることなくその機能を調節し、病態形成に関与する病原性IgAの産生を低減します。また、これらの結果は、これまでに確認されているガラクトース欠損IgA1(Gd-IgA1)の減少、タンパク尿の改善、および血尿の改善に関する知見をさらに補強するものであり、VOYXACTがIgA腎症の疾患経過そのものに影響を与え、患者さんの臨床転帰を改善する可能性を示しています。
【フェーズ3(VISIONARY)試験について】
フェーズ3(VISIONARY)試験は、本疾患における試験として最大となる約530名の成人患者さんを対象とした多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験です1。標準治療(最大耐用量のACE阻害薬またはARB に、必要に応じてSGLT2阻害薬を投与)を受けている成人のIgA腎症患者さんを対象に、シベプレンリマブ400mgを4週ごとに皮下投与し、プラセボ群と比較して評価することを目的としています。この試験は、4週間ごとに400 mgのシベプレンリマブを皮下投与した場合の有効性と安全性をプラセボと比較して評価することを目的としています。主要評価項目は、ベースラインと比較したシベプレンリマブ投与9カ月後の24時間尿におけるuPCR(尿蛋白/クレアチニン比)です。副次評価項目は、約24カ月間にわたるeGFR(推算糸球体濾過量)slopeの年間変化率です。
本試験プログラムでは、IgA腎症に対する理解をさらに深めるための研究が継続されており、現在進行中の非盲検長期延長試験(NCT05248659)から今後追加データが得られる予定です。
【IgA(免疫グロブリンA)腎症について】
IgA(アイ・ジー・エー)腎症は、通常は20~40歳代の成人に比較的多く発症します。本疾患は、免疫複合体が腎臓に沈着することで、進行性の腎機能低下を引き起こし、最終的には末期腎不全にいたる可能性があることから、患者さんに大きな負担をもたらします。腎機能障害の進行を抑制する各種の治療が行われているものの、この疾患の根本原因に対処する治療法には未充足の医療ニーズが存在しています2,3,4,5。
大塚製薬について
大塚製薬は、一人ひとりの可能性に向き合うトータルヘルスケアカンパニーです。"Otsuka-people creating new products for better health worldwide"の企業理念のもと、未充足の医療ニーズに新たな価値を提供する医療関連事業と、科学的根拠をもった独創的な製品やサービスにより日々の健康維持・増進をサポートするニュートラシューティカルズ関連事業を通じて、人々のウェルビーイングの実現に向けて取り組んでいます。 詳細はコーポレートサイト www.otsuka.co.jp をご覧ください。
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- V. Perkovic, H. Trimarchi, V. Tesar, R. Lafayette, M.G. Wong, J. Barratt, Y. Suzuki, A. Liew, H. Zhang, K. Carroll, V. Jha, A. Quevedo, S.H. Han, M. Praga, B. Chacko, M. Sahay, C.K. Cheung, L. Kooienga, M. Walsh, J. Xia, C. Fajardo, L. Shah, J. Hafkin, and D.V. Rizk. Sibeprenlimab in IgA Nephropathy -- Interim Analysis of a Phase 3 Trial. The New England Journal of Medicine. 2025. Nejm.org.
- Pitcher, D. Braddon, et. al Long-term outcomes in IGA nephropathy. Clinical journal of the American Society of Nephrology: CJASN. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37055195/
- Lai K. Iga nephropathy. Nature reviews. Disease primers. 2016
- Cheung, Chee Kay & Boyd, JKF & Feehally, J.. (2012). Evaluation and management of IgA nephropathy. Clinical Medicine. 12. s27-s30. 10.7861/clinmedicine.12-6-s27.
- Cheung CK, Barratt J, Liew A, Zhang H, Tesar V, Lafayette R. The role of BAFF and April in IGA nephropathy: Pathogenic mechanisms and targeted therapies. Frontiers in nephrology. February 1, 2024.