大塚製薬株式会社
FACEDUOの新コンテンツ 「新しい認知症観の理解」の提供を開始
大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長 井上 眞、以下「大塚製薬」)は、本日、株式会社ジョリーグッド(本社:東京都、代表取締役CEO 上路 健介、以下「ジョリーグッド」)との共同事業であるVR(バーチャルリアリティ)トレーニングプログラム「FACEDUO(フェイスデュオ)」において、世界アルツハイマーデー(9月21日)に合わせ、「認知症ケア支援VR」の新たなコンテンツとして「新しい認知症観の理解」の提供を開始しました。本コンテンツは、認知症と診断された方の本人視点をVRで体験しながら、認知症になっても地域で自分らしく暮らし続けることができるという「新しい認知症観」への理解を深めるとともに、認知症の人との適切な関わり方を学べるプログラムです。

2024年1月に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」では、認知症の人を含めた国民が個性と能力を発揮し、互いに人格と個性を尊重しながら支え合う「共生社会」の実現が掲げられています。また、認知症になっても希望を持って自分らしく暮らし続けることができるという「新しい認知症観」の普及も重要な考え方の一つとされています。かつて認知症は「認知症だと何もわからない」、「何もできなくなる」、「地域で暮らすのは困難になる」といったイメージがありました。ただし、近年では、生きがいや人生の目的を持ちながら日々過ごすことが、認知機能の維持や認知機能低下の抑制につながる可能性が報告されています1。高齢化が進展し、家族、周囲の人々、そして自分自身も含めた誰もが認知症になり得るという状況にあるなか、「新しい認知症観」を理解したうえで、認知症になった場合でも自分らしい暮らしを続けるために何ができるかを考えておくことが求められています。
当VRコンテンツは、2024年12月に提供を開始したFACEDUO「認知症ケア支援VR」プログラムの一環として、自治体や医療・介護施設などで活用される予定です。また、医療従事者向けに、臨床現場の事例を通じて認知症診断時の心理的支援を学び、実践につなげるための2D学習コンテンツを2026年10月に公開予定です。
FACEDUO 新コンテンツ「新しい認知症観の理解」の概要
視聴者は、認知症と診断された人の本人視点で、不安や戸惑い、診断時の気持ち、その後の暮らしまでをVRで体験し、認知症の人の気持ちを理解することができます。専門家との対話を通じて「新しい認知症観」への意識変容を促し、身近な方が認知症と診断された後の日々の関わり方についても学べる約15分のプログラムです。

● 場面1:認知症への不安や戸惑いを体験
卵をすでに買っていたことを忘れてしまっていたなど、認知症かもしれないと感じ始めた日常の出来事や、本人だけが抱える不安や戸惑いを認知症の人の視点で体験します。体験後には本人の語りを通して、その時の気持ちを振り返ります。

● 場面2:診断時の心理的支援
認知症と診断された瞬間の心細さや、医師からの言葉がどのように受け止められたのかを体験します。専門家の解説を通して、診断時に大切な心理的支援について理解を深めます。

● 場面3:新しい認知症観への変化
認知症になっても地域で自分らしく暮らし続ける認知症の人の姿を通して、「認知症になったら人生の終わり」といった固定観念を見つめなおします。認知症への見方が変わり、支える視点を学びます。
共生社会実現に向けた「新しい認知症観」
日本における認知症の人の数は、急速な高齢化の進展に伴い増加しており、2022年の認知症の高齢者数は約443万人、軽度認知障害2(MCI:Mild Cognitive Impairment)の高齢者数は約 559 万人と推計3されています。65歳以上高齢者の約3.6人に1人が認知症又はその予備群といえる状況にあります。また、若年性認知症の人の数は約3.6万人、18~64歳人口10万人当たり約50.9人と推計4され、認知症は誰にとっても身近な課題となっています。
こうしたなか、2024年1月に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」では、"認知症の人を含めた国民一人一人がその個性と能力を十分に発揮し、相互に人格と個性を尊重しつつ支え合いながら共生する活力ある社会"(共生社会)の実現が基本理念として掲げられています。共生社会の実現に向けて欠かせないのが、「新しい認知症観」の理解促進です。「認知症施策推進基本計画」で示された「新しい認知症観」とは、"認知症になったら何もできなくなるのではなく、認知症になってからも、一人一人が個人としてできること・やりたいことがあり、住み慣れた地域で仲間等とつながりながら、希望を持って自分らしく暮らし続けることができる"という考え方です。国民一人ひとりが「新しい認知症観」に立ち、認知症の人が、認知症の状況に応じて、最期まで自分らしく暮らせるよう、 周囲の人の支えも得ながら、認知症の人の尊厳を保持できるようにすることが重要だとされています。

コンテンツ監修:大塚 智丈先生(一般社団法人三豊・観音寺市医師会 三豊市立西香川病院)からのコメント
現在、毎年新たな認知症発症者は50万人以上と想定されます。そして、その中の多くの人々が偏見といえる過度に悪い認知症観によって苦しむ状況がまだあり、この状況の改善が非常に重要です。初診時に心理的支援として「新しい認知症観」の説明等を行うことで、これまで抱えていた過度に悪い認知症観を自分に重ねずに済みます。診断後の絶望やあきらめの状態に至らず、苦しみも緩和され、前を向いて生きていくための基盤となります。
FACEDUO(フェイスデュオ)について

「FACEDUO」は、人とテクノロジーで社会課題に対する解決策を提案するVRトレーニングプログラムです。現在、社会生活場面を教材にVRで練習できる「ソーシャルスキルトレーニング(SST)支援プログラム」、ひきこもり者のご家族に社会参加を促す際に有効なコミュニケーションのポイントや対応方法を学ぶことを目的とした「ひきこもり家族支援プログラム」、良好な人間関係を築くスキルを育てる「感情認知 トレーニングプログラム」、認知症の人のご家族が介護を行う際の具体的な対応を学ぶための「認知症ケア支援VR」などがあります。
現在、200以上の医療・福祉機関、自治体、企業でご利用いただいています。
詳しくはhttps://www.faceduo.jp/をご覧ください。
FACEDUOに関するお問い合わせ
自治体や企業、認知症治療・介護に携わる医療施設や介護福祉施設で導入を検討されている方からのお問い合わせはhttps://www.faceduo.jp/form/contactよりお願いいたします。
大塚製薬について
大塚製薬は、一人ひとりの可能性に向き合うトータルヘルスケアカンパニーです。"Otsuka-people creating new products for better health worldwide"の企業理念のもと、未充足の医療ニーズに新たな価値を提供する医療関連事業と、科学的根拠をもった独創的な製品やサービスにより日々の健康維持・増進をサポートするニュートラシューティカルズ関連事業を通じて、人々のウェルビーイングの実現に向けて取り組んでいます。 詳細はコーポレートサイトwww.otsuka.co.jpをご覧ください。
- 1. Dr. Patricia A.et al, Arch Gen Psychiatry; 69(5): 499-505, 2012
- 2. 記憶障害などの軽度の認知機能の障害が認められるが、日常生活にはあまり支障を来さない程度であるため、認知症とは診断されない状態
- 3. 厚生労働省令和5(2023)年度老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業)「認知 症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究報告書」(研究代表者:二宮利治)
- 4. AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)「若年性認知症の有病率・生活実態把握と 多元的データ共有システム」(研究開発代表者:粟田主一)2017 - 2020