肝硬変の栄養療法の考えかた
肝臓は沈黙の臓器だから肝硬変を早く見つけたい
肝硬変の典型的な症状
肝臓は沈黙の臓器と言われ、肝臓に障害が起こっても、中々症状が現れません。黄疸などの症状が現れてきたときには、既に肝臓の障害がかなり進行しています。
肝臓の機能が低下すると体がだるい、疲れやすい、食欲がないなどの全身症状のほかに上図のような症状が出てきます。早めに主治医に相談しましょう。とくに黄疸や腹水、肝性脳症などの明らかな症状がある肝硬変のことを非代償性肝硬変と呼び、またこれらの症状がない肝硬変のことを代償性肝硬変と呼び区別します。
肝臓の異変に気付くための血液検査
肝硬変は文字どおり肝臓が硬くなって内部や表面に結節や凸凹ができるので、超音波(エコー)検査やCT(コンピュータ断層撮影)検査で肝臓の形に変化がみられます。肝臓の機能は徐々に低下するため、肝硬変になっても気づきにくい場合があるので、定期的に肝機能検査をして経過をみるようにしましょう。
以下に代表的な肝臓の血液検査値をまとめてあります。
代表的な肝臓の血液検査値
- ALT(GPT)
- 肝細胞内にある酵素で、肝細胞が壊されると血液中にでてくるため、値が高くなります。高値ですと、肝臓が障害されています。基準範囲4~43IU/L
- AST(GOT)
- 肝細胞内にある酵素で、肝細胞が壊されると血液中にでてくるため、値が高くなります。高値ですと、肝臓が障害されています。基準範囲7~38IU/L
- アルブミン
- 肝臓で作られるたんぱく質で、血液中の蛋白質の半分以上を占め、肝臓だけで作られるたんぱく質です。肝臓の機能が低下すると値が下がってきます。基準範囲3.8~5.1g/dL
- γ-GTP
- 肝臓内で作られる酵素で、アルコール摂取量が多い時や脂肪肝があるときに高くなります。基準範囲男性~73IU/L、女性~48IU/L
- 総ビリルビン
- 古くなった赤血球が壊れてできる色素で、肝臓の機能が低下すると値が上がります。基準範囲0.2~1.2mg/dL
※1日に摂取する蛋白質やエネルギーについては、医師、薬剤師、栄養士にご相談ください。