ケンフェロールとの出会いは、
「健康に満ちあふれた世界」への
大きな一歩。

池田泰隆所長

大塚製薬 ニュートラシューティカルズ事業部
研究開発本部 先端科学研究所 所長 池田泰隆

世界中のすべての人が、できる限り健康な状態で、その人本来の人生をまっとうする――。
私の最終的な目標は、そんな「健康に満ちあふれた世界」を実現することです。

ケンフェロールの研究

私は学生時代から現在に至るまで、一貫して「食品と健康」を研究してきました。対象としてきたのは医薬品ではなく、あくまで食品です。医薬品は、体の特定の困りごとの解決に大きな力を発揮する、非常に重要な存在です。

一方で、これまでの健康食品の多くも、体の特定の部位や不足しがちな成分に着目して開発されてきました。これらも意義のある取り組みですが、実際の私たちの体は細胞・組織・器官が複雑に影響し合い、外界からのさまざまな刺激に反応しながら、さらには心の状態も含めた「全体」として成り立っています。本来、食品は体全体を穏やかに支えるものであり、そこにこそ医薬品とは異なる、食品ならではの価値があると私は考えています。

ケンフェロールの研究

体全体の健康のために私が着目したのが、細胞が酸素を使って生み出す「生命エネルギー」です。このエネルギーは、脳や筋肉、神経、内臓、皮膚、骨に至るまで、体中のあらゆる細胞で作られています。私は、このエネルギーが満ちあふれていることが、体全体の健康を支える重要な要素の一つになるのではないか、という仮説を立てました。

一方で、現代を生きる人々の細胞内は、生活環境や加齢などの影響により、低酸素状態に傾きやすく、エネルギー産生が十分に行われにくいケースがあることも分かってきました。ただし重要なのは、私たちの体が低酸素状態でエネルギーを作る力を失っているわけではなく、本来備わっている力が十分に発揮されていない可能性がある、という点です。

ケンフェロール分子構造図

そこで私は、研究を進める中で、2つの高地地域に暮らす民族の方々が、酸素の少ない環境にもかかわらず、速く、長く走るなど高い身体能力を示すことが知られている点に注目しました。
そして、その背景には食生活が関係しているのではないかと考え、341種類の食材に含まれる成分を詳しく分析し、たどり着いたのがポリフェノールの一種である「ケンフェロール」です。

まず細胞を用いた研究から、ケンフェロールには、低酸素状態においても細胞のエネルギー産生を支える可能性があることが示され、細胞が酸素を効率的に利用し、エネルギー産生が高まる様子が確認されました。さらに、運動時に一時的な低酸素状態になる状況を想定し、アスリートの方々にご協力いただいた検証においても、同様の傾向が見られています。

こうしたヒトを対象とした検証には、とりわけ多くの時間と労力を費やしてきました。それは、本当に人の健康を支える可能性を持つ成分であるかを、慎重に見極めるためです。今まで行ってきた、日常生活を想定した検証においても、活動量、天候による体調変化、睡眠などに関する指標で、前向きな変化が確認されています。

こうしたヒトを対象とした検証には、とりわけ多くの時間と労力を費やしてきました。それは、本当に人の健康を支える可能性を持つ成分であるかを、慎重に見極めるためです。今まで行ってきた、日常生活を想定した検証においても、活動量、天候による体調変化、睡眠などに関する指標で、前向きな変化が確認されています。

ケンフェロールの研究

近年では、細胞のエネルギー状態が、健康や加齢と深く関わる可能性を示した研究報告も増えています。現在も、ケンフェロールを通じてこうしたリスクをどのように軽減できるのか、外部の研究機関と連携しながら研究を続けています。

私が思い描く「健康に満ちあふれた世界」は、特別なことをするのではなく、日常の生活の中で自分の体と向き合いながら、健やかに歳を重ねていける社会です。体全体のエネルギーという視点から健康を見つめ直す中で出会ったケンフェロールは、その未来に向けた大切な一歩になったと感じています。

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