逆襲を期する駒澤大学
駅伝シーズンに向けて虎視眈々
駒澤大学陸上競技部(駅伝)
駒澤大学陸上競技部(駅伝)
学生駅伝3冠を狙った昨シーズン、駒澤大学は出雲、全日本で優勝しながらも、最後の正月決戦では2位にとどまった。主力をなしていた強力な学年が抜けて新チームは〝危機感〟を共有。今季は篠原倖太朗(4年)が5月上旬の日本選手権10000mで6位に入るなど見せ場もあったが、前半シーズンは勝ちきれないレースも多かった。それでも、このままでは終われない。逆襲を期する駅伝シーズンに向け、虎視眈々と準備を進めている。
1月下旬に米国の室内レースでエースの佐藤圭汰(3年)が5000mで13分09秒45の快記録を樹立するなど、駒大の2024年シーズンは幸先良く見えた。しかし、春以降の佐藤はケガもあって主要大会の欠場が続き、5月の関東インカレ(2部)では主力を起用しなかったとはいえ、入賞は1500mと5000mの各一つのみ。ライバル校と比べると〝苦戦〟とも取れる結果に終わっていた。
主将の篠原倖太朗(4年)が日本選手権10000mで6位、期待のルーキー・桑田駿介が5000mで関東インカレ5位、U20日本選手権3位と気を吐いたものの、それに続く選手がいなかった。
「結果をしっかり出してくれた選手はいるのですが、それ以外の選手たちが好結果に結びつけられませんでした。勝負するだけの状態まで仕上げられなかったことが反省として残りました」。藤田敦史監督は悔しげに、そう振り返る。
鈴木芽吹(現・トヨタ自動車)、花尾恭輔(現・トヨタ自動車九州)、安原太陽(現・Kao)ら学生三大駅伝経験者が9人もいた強力な学年が卒業。新チームの選手たちは距離を踏んで力をつけることを志向したものの、逆に疲労の蓄積につながってしまう。
「トラックシーズンに向けた準備がなかなかできないまま入ってしまいました。悪循環にはまってしまったようなところがあって、前半シーズンはかなり苦しみました」(藤田監督)
関東インカレ以降は割り切って腰を据えて練習を積むと、7月のホクレンディスタンスチャレンジや関東学生網走夏季記録挑戦競技会などで少しずつ結果を残せるようになってきた。
「後半シーズンで巻き返さないといけません。自分も含めて距離はすごく踏んでいたので、結果に直結してほしかったですね」。主将の篠原はもどかしげに話す。
自身は5月以降、10000mで27分35秒05、5000mで13分33秒13、13分27秒04と自己ベストを連発した。連戦が続いたこともあって「爆発的なタイムは出せていない」と満足していないが、高い志でチームをけん引。同じく5000mで自己新を連発している1年生・桑田の成長も、他の選手たちに大きな刺激を与えている。
勝負を懸ける駅伝シーズンに向け、7月から8月にかけて長野県内で恒例の合宿を張った。継続して練習するためにも重要となるのが日々のコンディショニング。駒大の選手たちは〝リカバリーのゴールデンタイム〟と言われるハードワーク後の30分以内に、大塚製薬の「ボディメンテ ゼリー」を摂取している。
コンディショニングをサポートする乳酸菌B240、リカバリーをサポートするタンパク質が一緒になったオールインワンのコンディショニング栄養食で、藤田監督は「マネージャーが一人ひとりにちゃんと手渡しで渡して、飲んでもらうようにしています。その後、足腰をアイシングしたり、ストレッチをするという流れ。ボディメンテはゼリーもドリンクもすごく飲みやすいので、選手たちも助かっています」とうなずく。
篠原は「ポイント練習後にゼリーがないと、選手の方から聞くぐらいです。自分は元からカラダは強い方ですが、ボディメンテ ゼリーを飲んでいることでより一層、体調がキープできるようになりました。練習後、すぐにタンパク質が摂れることも自分にとっては大きいです」ときっぱり。
昨季は篠原、佐藤とともに三大駅伝すべてに出場した山川拓馬(3年)は、「(ボディメンテ ゼリーは)成分のバランスが良いので、ポイント練習の後とかに飲んでいます」と話し、貧血対策のための鉄分補給とともに励行しているという。
昨年の出雲と全日本で優勝に貢献している伊藤蒼唯(3年)は、トレーニングの強度によってボディメンテ ゼリーの飲み方を調整しており、「量がちょうど良くて、朝練習の後でも手軽に飲むことができます。距離走後など内臓にかなり負担がかかっている時は、あえてゆっくり飲むようにしています」と話す。
また、岡山・倉敷高校時代はゼリー飲料を試合前に少し摂取する程度だけだったという新人の桑田は、「ボディメンテ ゼリーはポイント練習の後に、ドリンクは日常的に飲んでいます」と今ではフル活用。新しい環境で充実した競技生活を送れているのはそのお陰だろうか。
ボディメンテを活用している駒大は、夏合宿を順調に消化。「2年連続3冠」を掲げた昨年度は高いレベルをさらに引き上げていくイメージだったが、今季はメリハリをつけた練習を継続して行うことを大事にしている。
「去年やその前の年は、何かをステップにしなくても力がありました。今年のチームはまだそこまでの自信がないので、一つひとつ自信をつけていかないといけません。まずは出雲で勝ちたいです。その自信を持ってステップアップしていければ、その後の駅伝でもいい順位が取れるのではないかと思います」。それが藤田監督の描く駅伝シーズンの青写真だ。
佐藤はすでに練習を再開しており、海外のクラブチームの合宿に参加。9月中旬以降のトラックレースで復帰予定という。また、ハムストリングの張りで夏合宿序盤は大事を取っていた山川も心配はなさそうで、前半シーズンに影を潜めていた主力たちが駅伝シーズンに向けて少しずつ調子を取り戻している。
今季の学生長距離界は青学大、國學院大、東洋大など強力なライバル校がひしめいている。篠原は「(上位を狙うチームは)やっぱり強いとは思いますが、駒澤も走るべき人が走ればまったく戦えないわけではありません。ウチは主力の多くを占める3年生がどれだけ戦えるかがカギになりそう。自分は(他大学のエースに)負けないですよ」ときっぱり話す。
直近2年とは違って〝3冠〟を前面には押し出していない。それでも、三大駅伝初戦の出雲で、うまく上昇気流に乗ることができれば――。今季の駒大はそんな可能性を感じさせるチームだ。
この記事は、月刊陸上競技2024年10月号に掲載された内容です。
駒澤大学陸上競技部(駅伝)
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