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INTERVIEW

インタビュー

2020年の目標は
インカレ総合2連覇
中央大学自転車競技部が
選んだ“パートナー”とは

中央大学(自転車競技部)

ー 創部66年目で達成した悲願、チームを変えた「選手が考える練習」と「雰囲気の良さ」

創部は昭和28年。66年の伝統を誇る中央大学自転車競技部は2019年、第75回全日本大学対抗選手権自転車競技大会(インカレ)で初の男子総合優勝を飾った。男子トラック部門で優勝、男子ロード部門で2位となり、両者のポイントを合計した末の総合優勝。1936年に大会が始まって以来の悲願を達成した。

昨年はロード部門で優勝したものの、トラック部門で奮わずに総合4位。強豪校として悔しさの残る結果から、わずか1年で大きな巻き返しに成功した背景には何があったのか。2019年からチームを率いる高島豪監督は「選手が考える練習」と「チームの雰囲気の良さ」を要因として挙げる。

添田広福前監督の下でコーチを務めていた高島監督は、自身も自転車競技部のOB。「前監督が残してくださった部分を引き継ぎつつ、今まで以上に学生たちに任せる部分を増やしました」と話し、その一環として学生自身に練習メニューを決めさせたという。

「学生が自分たちで考えて、納得した上で決めた練習を実行する。その結果、なんでこの練習をしているのか迷いがなくなったようです。自分にとって有益なことだと理解しながら、目標に向かって練習できたことが、いい結果に繋がったんだと思います」

では、選手たちは実際にどのような取り組みを行ったのだろうか。

男子チームスプリント優勝メンバーの東矢圭吾選手(法学3年)は短距離がメイン。瞬発力とパワーが求められる競技において「去年はパワーが足りていなかった」と感じ、今年はパワーアップを第一の目標に掲げた。「ウエートトレーニングをしたり、重いギアを踏んで自転車に乗る練習を増やしたり」個人練習メニューに工夫を凝らし、部としても競輪場でバンクを走る実践練習の機会を増やした。その結果、「パワーは圧倒的に増え、結果にも繋がったと思います」と手応えを語る。

2018年の福井国体で成年男子個人ロードレース優勝を果たした奥村十夢選手(商学3年)は長距離を専門とし、「自分は長い距離を走って、最後で勝負できるのが持ち味だと思っています」と話す。ただ、やたらに勝負をかければいいものではない。「年間何十レースもある中で、勝負どころを見逃さないように勝負勘を強めることを考えました。練習でも仲間で本番をイメージしたレースをして、勝負勘を養うようにしました」と練習のポイントを明かした。

中長距離を専門とする山本哲央選手(経済2年)は、自分で何が必要かを考えて決めた練習が効果的であることを実感。「全員が同じメニューをこなすのではなく、自分でメニューを考えながら練習すると、自分で強化したい部分にピンポイントで働き掛けられます」と話し、インカレでは男子4kmインディヴィデュアルパーシュート、男子チームパーシュートで優勝を飾った。

自分で練習メニューを決めるためには、自分自身と深く向き合わなければならない。自分の長所は何か、課題は何か。改めて自分について考える時間を持ったことが成長に繋がり、「自転車競技部としての最大の目標として何十年も変わらないこと」(高島監督)だったインカレ総合優勝を成し遂げた。

自転車競技と一口で言っても、短距離、中長距離では競技の特性が大きく異なり、選手の体型も変わってくる。「イメージとしては、陸上の短距離選手とフルマラソンの選手が違うのと全く同じです。自転車は大きなパワーでガッとペダルを踏む短距離と、小さなパワーで長い距離を踏む中長距離で分かれます」と東矢選手。年間最大レースのインカレ直前ともなれば、1か月ほど違う場所で合宿を行うこともあるという。その中でも中央大学自転車競技部がチームとして結束力を高められたのは、1年生から4年生まで分け隔てなく風通しの良い環境があるからだ。

2019年度の部員は19人。部員は全員が寮で生活し、気心が知れた間柄だ。大学の体育会と言えば一般的に上下関係が厳しい印象があるが、「後輩から先輩に最低限のリスペクトがあればいいと思う」と高島監督が話すように、中央大学自転車競技部では普段からアットホームな雰囲気が自然発生している。同時に、毎週行われるミーティングでは、選手が各自の目標に対する取り組みや姿勢がぶれていないかを確認。「そもそも人数が多い部ではないので、1人でも欠けたら部全体に大きな影響が出てしまう。そういう責任感もあり、強くなりたいと思います」(東矢選手)という自覚が、チームワークの良さを生み出すのだろう。