大塚製薬株式会社
経口バソプレシンV2-受容体拮抗剤
「フィズリン™錠30mg」
10月24日発売
大塚製薬株式会社(本社:東京都千代田区、社長:樋口達夫、TEL:03-3292-0021)は、経口のバソプレシンV2‐受容体拮抗剤 「フィズリン™錠30㎎」(一般名:モザバプタン塩酸塩、以下「フィズリン錠」)を10月24日より発売します。
「フィズリン錠」は、電解質排泄の増加を伴わず過剰な水分のみを排泄する水利尿作用を有する経口投与可能な非ペプチド性バソプレシン*V2‐受容体拮抗剤です。その有効成分であるモザバプタン塩酸塩は、1989年に大塚製薬で合成され、2001年に希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受け、2006年7月26日に承認されました。
- *バソプレシン:抗利尿ホルモン
「フィズリン錠」の効能・効果は、「異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(以下:SIADH)における低ナトリウム血症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)」であり、同効能・効果で承認された国内初の薬剤です。
SIADHとは、抗利尿ホルモン(バソプレシン)が生理的分泌調整機構から逸脱して不適切に分泌されている病態であり、不適切に分泌されたバソプレシンはV2‐受容体を介して腎集合管での水再吸収を促進することにより、腎臓からの水の排泄を抑制して水分貯留を起こし、その結果、希釈性低ナトリウム血症を呈します。
SIADHは悪性腫瘍、中枢性疾患、呼吸器疾患、薬剤などによって発症することが知られていますが、「フィズリン錠」の対象となるSIADHは、異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍(悪性腫瘍)が原因となり引き起こされるものです。
医学専門家として「フィズリン錠」の臨床開発をご指導いただきましたファルマバレー担当静岡県理事兼静岡がんセンター総長山口建先生は、「この薬剤は、日本で開発された代表的なホルモンレセプター拮抗薬で、臨床試験には多くの肺がん治療専門医が協力しました。低ナトリウム血症のために抗がん剤治療が実施できない患者さんや、厳しく水分摂取が制限されるために著しくQOLが悪化した患者さんにとって大きな福音になることでしょう。」とコメントしています。
尚、新薬発売後、一定数の症例が集積されるまでの間は製造販売後全例調査をいたします。
大塚製薬は、'Otsuka - people creating new products for better health worldwide'の企業理念のもと、世界の人々の健康に寄与してまいります。
製品特徴
- 経口投与可能な非ペプチド性バソプレシンV2‐受容体拮抗剤です。
- 電解質排泄の増加を伴わない水利尿剤です。
- 「異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群における低ナトリウム血症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする国内初の薬剤です。
- 国内で実施された異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群を対象とした臨床試験において、副作用発現症例率は39.3%(11例/28例)でした。主な副作用は、口渇(21.4%)、AST(GOT)上昇(7.1%)、ALT(GPT)上昇(7.1%)、血清カリウム上昇(7.1%)、などでした。
製品名 | フィズリン™錠30㎎(Physuline® tablets 30㎎) |
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効能・効果 | 異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群における低ナトリウム血症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る) |
用法・用量 | 通常、成人にはモザバプタン塩酸塩として30㎎を1日1回食後に経口投与する。 |
有効成分 | 1錠中にモザバプタン塩酸塩30㎎を含有 |
包装 | フィズリン錠30㎎:1錠、7錠(SP包装) |
薬価 | 8,734.40円/錠 |
承認日 | 2006年7月26日 |
製造販売元 | 大塚製薬株式会社 |