ドライアイの原因
最近の研究では、目の表面の粘膜に異常が起こると、涙の量を維持することができなくなることが分かってきており、その結果、潤いを保てなくなり、バイ菌や異物だけではなく、摩擦や乾燥などの悪循環を繰り返して、目の表面がデコボコした肌荒れ状態なってしまいます。
そういった状態が続くことにより、「目の不快感」や「ものが見えにくい」などの症状があらわれるのです。また、ドライアイを引き起こす要因や環境には以下のようなものが挙げられており、実際にはこれらが複合して起こっていると考えられています。
ドライアイを引き起こす要因や環境
- 年齢
涙は目の表面を覆うことで乾燥を防ぐとともに、外界の刺激から目を保護しています。
- 性別
男性よりも女性の方がドライアイになりやすいといわれています。
- 乾燥した環境
空気が乾燥する冬には、目の表面からの涙の蒸発量が増えてドライアイになりやすくなります。また、夏でもエアコンによる乾燥がドライアイの原因になることがあります。特に、エアコンから吹き出す風が直接あたると症状が悪化します。
- VDT(Visual Display Terminals)作業
パソコンや携帯端末などのモニタ画面を見つめる作業を長時間行うと、まばたきの回数が極端に減るためにドライアイが起こりやすくなります。
- コンタクトレンズ
コンタクトレンズを装用すると、水分の蒸発量が増えてドライアイになりやすくなります。特にソフトコンタクトレンズでは、まばたきのたびに目の表面とレンズの間で摩擦が生じ、炎症が引き起こされるため、目の乾燥感が増加します。また、レンズに汚れや傷があると、涙の安定性が悪くなったりムチンの分泌が低下したりするため、ドライアイの原因になります。
- 薬の副作用
抗コリン作用のある精神疾患薬などで、涙の分泌量が減少することがあります。また防腐剤が入っている点眼液の影響で角膜に傷がつくこともあります。
- シェーグレン症候群
中年の女性に多い自己免疫疾患で、涙腺や唾液腺などが破壊されて、涙や唾液が分泌されなくなります。そのため、悲しくても涙は出ません。重症の場合、目が開けられないほどの痛みを伴うことがあります。
- スティーブンス・ジョンソン症候群
ウイルス感染や薬剤アレルギーなどが原因で全身の皮膚・粘膜に異常が起きます。目の表面に強い炎症が起きることから重症のドライアイを発症します。