心不全を知って、予防・治療しよう

心不全の診断・評価法とは?

心エコー
BNP濃度測定
心臓MRI

心不全の診断

心不全の重症度を評価するためには、悪くなった心臓が全身に及ぼす影響度を評価することと同時に、心臓そのものの機能・構造の異常を評価することが大切です。

構造機能異常の評価はほとんど心エコーで可能ですが、より精密に評価するためにBNP濃度測定や心臓MRIを行うことがあります。
また、心臓・肺や筋肉の働きを調べるために、その人がどれくらいまでの運動に耐えられるかの限界を指す運動耐容能を自覚症状や6分間歩行、CPX(心肺運動負荷試験)から評価します。

心不全の発症と進行ステージ

心不全はA~Dの4つのステージに分類されます。ステージAは「心不全リスク」がある状態(高血圧、糖尿病、動脈硬化など)、ステージBは「前心不全」と呼ばれており、心不全を発症する前段階です。ステージが進行すればするほど、より重症となるため、生活習慣の見直しや基礎疾患の治療を行い、心不全(ステージC)を発症させないことが重要です。
また、心不全の重症度はNYHA分類と呼ばれる、自覚症状の程度により評価されます。

  • ステージ分類は「不可逆的」と言われており、ステージが進行すればもとに戻ることはありません。
    ステージが進行すればするほど、より重症になります。
    NYHA分類は「可逆性」、すなわち治療をすることで、NYHA分類は前後します。

Bozkurt B, et al.:, EurJ Heart Fail. 23(3):352-380,2021より改変