心不全を知って、予防・治療しよう
内科統括部長・循環器内科部長・副院長 佐藤 直樹 先生
心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。
初期に見られる症状に「むくみ」「息切れ」があります。その他に、「だるさ」や「疲れやすさ」という症状が出ることもあります。
高血圧、糖尿病、慢性腎臓病(CKD)、心筋梗塞などにひそむ、「かくれ心不全」が増えています。心不全は一度発症すると、入退院をくり返し、だんだん悪くなり、生命を縮めます。心不全を発症させない・再発させない予防や治療が大切です。
心不全についてもっと知る
近年、増加している心不全。心不全の病態や治療について解説します。
Message from 佐藤直樹先生
夏の暑い時には、こまめに水分補給することは脱水を防ぐためにも大切です。脱水を生じると腎機能が悪化し結果的に心不全が悪化することにつながります。特に利尿薬を内服している場合はより注意が必要です。もちろん、飲みすぎは心不全を増悪させる原因となることがあります。水分摂取の量については、天候に応じてどのようにしたらよいかを普段から医師と相談して適切な水分補給を心がけましょう。また、特に暑い夏には冷えたビールが一段と美味しいですが、お酒の飲みすぎは、水分バランスの崩れや血圧の上昇をひき起こし、心臓の負担になります。禁酒が必要な場合もありますので、どれくらいのお酒の量を飲んでもいいか、医師に確認しましょう。お酒を飲んでも良い場合でも適量の範囲内(目安:ビール中びん1本、日本酒1合、ワイングラス2杯)で、楽しむ程度に控えましょう。お酒のお供のおつまみには塩分を多く含むものが多いので、お酒の量と合わせて塩分にも注意しましょう。心不全のサインである「むくみ」「息切れ」「だるさ」といった症状を日ごろから注意深く観察し、将来の心不全を予防し、再発させない生活と治療を心がけましょう。
2024年3月 SS2401005
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