心不全を知って、予防・治療しよう

総合監修:かわぐち心臓呼吸器病院
内科統括部長・循環器内科部長・副院長 佐藤 直樹 先生
心不全の定義

心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。

心不全の症状

初期に見られる症状に「むくみ」「息切れ」があります。その他に、「だるさ」や「疲れやすさ」という症状が出ることもあります。

心不全の予防と治療

高血圧、糖尿病、慢性腎臓病(CKD)、心筋梗塞などにひそむ、「かくれ心不全」が増えています。心不全は一度発症すると、入退院をくり返し、だんだん悪くなり、生命を縮めます。心不全を発症させない・再発させない予防や治療が大切です。

心不全についてもっと知る

近年、増加している心不全。心不全の病態や治療について解説します。

Message from 佐藤直樹先生

季節的には、春の日差しが心地よい時期となりました。精神的な安定を図るためにも、体を動かすことは大切なことです。適切な運動は体力の向上や筋力の維持のためにも効果的で、心臓の負担を減らすことにもつながります。運動を行う際には、必ず医療機関で相談して適切な運動の強さや頻度を決めてから行いましょう。最初はウォーキングなど軽めの有酸素運動から1回5~10分、1日に1~2回からはじめてみましょう。「会話をしながらでも息があがることなくできる程度」を目安にしてみてください。慣れてきたら無理のない範囲で1回あたり20~30分程度、週に3~5回までと徐々に運動の機会を増やしてみてください。ただし、運動しすぎは禁物です。過度な活動は心臓への負担となり、心不全の増悪を引き起こす可能性もあります。気分や体調の悪いときには無理せず休みましょう。また、運動翌日、少し疲れたなあと思われるようなときは運動が多少過多である可能性があります。翌日に疲れを残さない運動を心がけてください。心不全のサインである「むくみ」「息切れ」「だるさ」といった症状を日ごろから注意深く観察し、将来の心不全を予防し、再発させない生活と治療を心がけましょう。

2024年3月 SS2401005