タンパク質+糖質サプリメントを用いた主な研究成果

研究成果一覧

Postexercise nutrient intake timing in humans is critical to recovery of leg glucose and protein homeostasis

Levenhagen DK, Gresham JD, Carlson MG, Maron DJ, Borel MJ, Flakoll PJ
Am J Physiol Endocrinol Metab 2001; 280: E982-E993

目的:
運動後のタンパク質+糖質サプリメントの摂取タイミングが、筋タンパク質代謝に及ぼす影響を検討すること。
方法:
健常成人男女10名 (男性5名、女性5名) を対象に、タンパク質+糖質サプリメント (タンパク質10g、糖質8g、脂質3g) を運動直後、または運動終了3時間後に摂取する2条件にて、クロスオーバー比較試験を実施した。自転車こぎ運動 (最大酸素摂取量の60%強度) を1時間行った直後、または終了3時間後にタンパク質+糖質サプリメントを摂取させ、摂取後3時間の筋タンパク質代謝を、安定同位体標識Phe(2H5 -Phe)を用いた動静脈格差法にて測定した。
安定同位体標識Phe(2H5 -Phe)を用いた動静脈格差法:組織でのタンパク質バランス(取込量・放出量)だけではなく、タンパク質の合成速度および分解速度についても評価可能な方法。この方法を用いることにより、筋タンパク質バランスの変化が筋タンパク質合成の変化によるものか、筋タンパク質分解の変化によるものかについての検討が可能。
結果:
タンパク質+糖質サプリメントの運動直後および運動終了3時間後の摂取を比較すると、筋タンパク質合成が運動直後の摂取でより大きく、正味の筋タンパク質バランスも合成状態であった。
考察:
骨格筋量の増加に有効な運動後のタンパク質+糖質サプリメントの摂取タイミングは運動直後であることが示唆された。

Postexercise protein intake enhances whole-body and leg protein accretion in humans

Levenhagen DK, Carr C, Carlson MG, Maron DJ, Borel MJ, Flakoll PJ
Med Sci Sports Exerc 2002; 34: 828-837

目的:
運動直後に筋タンパク質合成を高めるためのサプリメントとして、タンパク質の重要性について検討すること。
方法:
健常成人男女10名 (男性5名、女性5名) を対象に、タンパク質+糖質サプリメント摂取 (タンパク質10g、糖質8g、脂質3g)、糖質プラセボ摂取 (タンパク質0g、糖質8g、脂質3g)、無摂取の3条件にて、クロスオーバー比較試験を実施した。自転車こぎ運動(最大酸素摂取量の60%強度)を1時間行った直後にタンパク質+糖質サプリメントまたは糖質プラセボを摂取させ、運動終了後3時間の脚部の筋タンパク質代謝を、安定同位体標識Phe2H5 -Phe)を用いた動静脈格差法にて測定した。
結果:
運動直後の糖質プラセボの摂取では、無摂取に比べて筋タンパク質合成の増加はみられず、筋タンパク質バランスは正味の分解状態にあった。一方、運動直後のタンパク質+糖質サプリメント摂取では、無摂取時または糖質プラセボ摂取に比べて筋タンパク質合成を高め、筋タンパク質バランスは正味の合成状態であった。
考察:
運動後の筋タンパク質合成を高めるためには、運動直後に糖質だけではなくタンパク質を摂取することが重要であることが明らかとなった。

Timing of postexercise protein intake is important for muscle hypertrophy with resistance training in elderly humans

Esmarck B, Andersen JL, Olsen S, Richter EA, Mizuno M, Kjær M
J Physiol 2001; 535: 301-311

目的:
高齢者におけるレジスタンス運動後のタンパク質+糖質サプリメント摂取タイミングが、骨格筋量に及ぼす影響を検討すること。
方法:
男性健常高齢者 (平均年齢74歳)13名を対象に、タンパク質+糖質サプリメント (タンパク質10g、糖質7g、脂質3g) を運動直後に摂取する群 (運動直後群) および運動2時間後に摂取する群 (2運動時間後群) による群間比較試験を実施した。被験者は、トレーニングマシーンを用いた週3回のレジスタンス運動を12週間行った。運動直後群は毎回の運動直後にタンパク質+糖質サプリメント1 本を、2時間後群は毎回の運動終了2時間後にタンパク質+糖質サプリメントを1本摂取させた。トレーニング期間の前後で大腿部の筋肉量としてMRI 画像における大腿四頭筋の筋横断面積を測定した。
結果:
運動直後群ではトレーニングによる大腿四頭筋の筋肉量の増加がみられたのに対し、運動2時間後群ではみられなかった。
考察:
以上の結果から、実際に運動直後のタンパク質摂取が骨格筋量を増加させることが実証された。高齢者において、レジスタンス運動後のタンパク質+糖質サプリメントの摂取タイミングは骨格筋量の変化に対して影響を及ぼし、運動直後が骨格筋量の増加に有効な摂取タイミングであることが示唆された。

肥満中年女性の身体組成に及ぼす複合トレーニングとタンパク質摂取の併用効果

前田有美、横山典子、高橋康輝、土居達也、松元圭太郎、上野裕文、久野譜也
体力科学 2007; 56: 269–278

目的:
複合トレーニング直後のタンパク質+糖質サプリメント(ゼリータイプ)の摂取が、骨格筋量に及ぼす影響を検討すること。
方法:
肥満中年女性42名(平均年齢56.5±4.3歳、BMI 26.6±2.3kg/m2、体脂肪率35.9±2.2%)を対象に、タンパク質+糖質サプリメント摂取(タンパク質10g、糖質15g、脂質0g)、等カロリープラセボ摂取(タンパク質0g、糖質25g、脂質0g)あるいはノンカロリープラセボ摂取(タンパク質0g、糖質0g、脂質0g)による群間比較試験を実施した。被験者は、週5日間の筋力トレーニングおよび有酸素トレーニングを併用させた複合トレーニングを10週間継続して実施した。毎回の運動直後に被験物を摂取させた。10週間のトレーニング前後で大腰筋の筋量をMRI画像による横断面積より測定した。
結果:
トレーニングによる大腰筋の増加量は、ノンカロリープラセボ摂取群と等カロリープラセボ摂取群の間に差は見られなかったのに対して、タンパク質+糖質サプリメント摂取群では他の2群よりも有意に増加した。
考察:
以上の結果から、筋力トレーニングおよび有酸素トレーニングの併用プログラムを用いた運動プログラム実施直後におけるタンパク質の摂取は、日常生活動作の中でも多くの割合を占める、歩行あるいは階段昇り動作のような股関節屈曲動作に関与する大腰筋の筋横断面積をより効果的に増大することが示された。

Postexercise protein supplementation improves health and muscle soreness during basic military training in marine recruits

Flakoll PJ, Judy T, Flinn K, Carr C, Flinn S
J Appl Physiol 2004; 96: 951-956

目的:
長期間高強度トレーニング時のタンパク質+糖質サプリメント摂取が、筋肉痛および健康状態に及ぼす影響を検討すること。
方法:
アメリカ海兵隊の新兵男女387名を対象に、タンパク質+糖質サプリメント摂取(タンパク質10g、糖質8g、脂質3g)、糖質プラセボ摂取(タンパク質0g、糖質8g、脂質3g)、ノンカロリープラセボ摂取(タンパク質0g、糖質0g、脂質0g)による群間比較試験を実施した。54日間の新兵訓練キャンプ期間中、3日間のコンディショニングハイク(3、5、10マイル歩行)および24日間のランニング(1-3マイル)、上体起こし腹筋、腕立て伏せ、懸垂を用いたコンディショニングを実施した。さらに、トレーニング期間を通して、適宜、追加の身体活動として、6日間の海兵隊格闘技トレーニング、4日間の水泳コンディショニング、毎日の>3マイルウォーキングを実施した。運動終了直後に毎回被験物を摂取させた。運動終了直後および24時間後に主観的筋肉痛スコアの測定を行った。また、キャンプ期間中の健康状態を、専門医の診断および治療を記録することにより評価した。
結果:
訓練34日目および54日目の筋肉痛スコアの訓練開始時からの変化値はタンパク質+糖質サプリメント摂取群が他の2群よりも低かった。また、キャンプ期間中、細菌・ウィルス感染、筋・関節障害、熱疲労等で診療所を訪問した延べ人数はタンパク質+糖質サプリメント摂取群では108名と、他の2群(糖質プラセボ摂取群153名、ノンカロリープラセボ摂取群169名)よりも有意に少なかった。
考察:
運動直後のタンパク質+糖質サプリメント摂取は、骨格筋量の増加を促進するだけでなく、持続的な高強度運動トレーニング中の健康状態や筋肉痛に対して良い影響を及ぼすことが考えられた。このことから、タンパク質の摂取は、重度にストレスをかけた運動集団における健康問題の予防法となる可能性が示唆された。