大塚製薬株式会社（本社：東京都、代表取締役社長：井上眞、以下「大塚製薬」）は、体外診断用医薬品「クイックナビ^TM」シリーズの新製品として、ノロウイルス抗原キット「クイックナビ^TM‐ノロ3」を、製造販売元のデンカ株式会社（本社：東京都、代表取締役社長：今井俊夫）とともに、10月26日から全国の医療機関向けに販売します。

「クイックナビ^TM‐ノロ3」は、イムノクロマト法を用いて、糞便中のノロウイルス抗原を迅速かつ特異的に検出することが可能な測定キットです。ノロウイルスには複数の遺伝子型がありますが、本製品は「クイックナビ™‐ノロ2」と比較して、近年流行している型を含む、多様な遺伝子型で感度を向上しています。本キットは、従来品と同様に検体の遠心分離などの前処理が不要で、ウイルスの有無を15分以内で最終判定することが可能です。

（表：医薬と薬学,79（8）, 1063-1070, 2022より作成、本研究はデンカ株式会社との共同研究）

大塚製薬は、感染症対策を社会的責務ととらえ、クイックナビシリーズのラインアップを拡充することで迅速かつ適切な診療に寄与してまいります。

ノロウイルスについて

ノロウイルスは感染性胃腸炎の主要起因ウイルスです。主な症状は、吐き気、おう吐、腹痛、下痢などですが、発熱、頭痛、筋肉痛を伴うことがあり通常冬季を中心に発生します。主に人の小腸で増殖し、食品中では増殖しません。ノロウイルス感染は、汚染された水や貝類などからの経口感染や感染者の便、おう吐物を介した接触感染で起こり、潜伏期間は24～48時間で臨床症状は1～3日で回復しますが、糞便中のウイルス排出期間は長く、約2週間続く場合もあります。感染力が強く小量のウイルスで感染し、家庭内、施設で集団発生し、小児や成人が年齢を問わず感染します。治療薬はなく、対症療法が基本となります。発症早期にノロウイルス抗原を検出し、適切な治療や感染防止対策をとることにより、二次感染や集団感染を引き起こすリスクを軽減することが重要です。

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