葉酸
葉酸は生体内でいくつかのアミノ酸代謝に関与しています。また、葉酸はビタミンB12と同様に、細胞増殖やDNA合成に関与しています。葉酸が多く含まれている食材は葉物野菜やレバーですが、野菜の場合、茹でる操作で葉酸が消失し、摂取量が少なくなってしまう可能性もあります。
厚生労働省では、神経管閉鎖障害の発症リスク低減のために、妊娠を計画している女性または妊娠の可能性がある女性は食事からの摂取に加えて、サプリメント等の栄養補助食品から1日0.4mg(400μg)の葉酸を摂取するよう呼びかけています。
また、妊婦も食事からの摂取(推奨量240μg/日)に加えて付加量として240μg/日、授乳婦の場合は付加量として100μg/日を摂取することを推奨しています。
(厚生省通達、神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について、平成12年12月28日)
なお、食品に含まれる葉酸はプテロイルポリグルタミン酸、サプリに含まれるのはプテロイルモノグルタミン酸で、後者は前者の2倍の効力を持ちます。サプリから0.4㎎の葉酸摂取をしようとするとプテロイルモノグルタミン酸ですので、食事由来の葉酸に換算すると0.8㎎に相当します。
神経管閉鎖障害とは妊娠初期に葉酸の摂取不足により発症する先天性疾患の1つです。
脳や脊髄を作る元となる神経管と呼ばれる管状の細胞の一部が塞がり、脳や脊髄が正しく成長できなくなる疾患です。
無脳症や二分脊椎症が主な疾患です。
妊娠を計画している女性または妊娠の可能性がある女性であれば、妊娠前から葉酸を摂取することをお勧めします。
葉酸は、名前通り植物の緑の葉の部分に多く含まれています。ほうれん草、からし菜、高菜、春菊、ブロッコリー、アスパラガス、白菜、レタス、カリフラワー、ぜんまいなどに多いので積極的に食べましょう。その他、イチゴや夏みかんなどの果物類、さつまいも、日本かぼちゃ、大豆、そら豆、納豆、あまのりなどにも多く含まれます。
厚生労働省では、食品からの摂取に加えて、サプリメント等から1日0.4mg(400μg)の葉酸の補給を勧めています。