循環器・腎

一つの化合物から
無限の可能性を追い求める

大塚製薬の創薬の起源は1971年にその可能性を見いだした「カルボスチリル骨格」です。この骨格を礎として、研究者は患者さんを最優先に考え、他社が行っていないテーマを選び、熱意と信念を頼りに新薬の研究開発を進めてきました。循環器領域では、1980年に心臓の病気のための治療薬を自社創製。その後も「ものまねをしない」という大塚独自の研究開発を追求していった結果、独自の作用を持つ抗血小板剤(慢性動脈閉塞症や脳梗塞の再発抑制)や世界初の経口水利尿薬など数々の画期的新薬の創製につながっています。

当時、むくみなどの治療で使用される従来の利尿薬は、水と一緒に電解質も排出されるという課題がありました。「水だけを出す利尿薬が欲しい」― ある臨床医のひと言から大塚製薬は研究をスタートさせました。その後26年もの歳月をかけ、世界初のメカニズムをもつ治療薬の開発に成功。心不全や肝硬変による浮腫の治療に使用されるだけでなく、ADPKDの治療薬としての適応、更には「SIADHにおける低ナトリウム血症」に対する適応も取得し、世界中の循環器・腎領域疾患・SIADHの治療に貢献しています。

大塚製薬は、これからもあきらめない探究心をもち、創造的な挑戦を続けていきます。

ADPKD(常染色体優性多発性のう胞腎)について

ADPKDは遺伝子の変異により両方の腎臓にのう胞(液体が詰まった袋)が無数にできて腎臓が何倍にも大きくなり、腎機能が徐々に低下していく遺伝性の病気です。多くの場合は30~40歳代以降に症状が現れ、血尿、腹痛・腰背部痛、腹部膨満などが見られます。60歳までに半数近くの患者さんが末期腎不全にいたると言われています。遺伝性の疾患のなかでも発症頻度が高く約4,000人に1人が患っているとされています。

SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)について

SIADHは、低ナトリウム血症であるにもかかわらず抗利尿ホルモンであるバソプレシン(AVP)による水の再吸収が持続して水利尿不全となっている病態です。SIADHの原因は中枢神経系疾患や肺疾患、異所性バソプレシン産生腫瘍、薬剤など多岐にわたります。

独自の抗体プラットフォーム技術を用いた創薬

Visterra

ビステラ社(米国)

2018年、大塚グループの一員となったビステラ社は、革新的な抗体医薬品を開発することで、治療困難な疾患の患者さんに貢献する最先端のバイオテクノロジー企業です。独自のプラットフォーム技術(Hierotope® platform)により最適な抗体構造を発見することで、疾患の分子標的に特異的に結合する抗体医薬品の設計が可能となりました。現在、承認された治療薬がないIgA腎症の治療薬候補など、数多くの新薬パイプラインを有しています。

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