熱中症からカラダを守ろう

スポーツ時の熱中症 対策と対処法

スポーツ時の熱中症発生の要因には「環境」「主体(個人の状態)」「運動」があり、ひとつでもバランスが崩れると熱中症を発生させてしまいます。

暑い中では、トレーニングの効果が上がらず、体力も消耗します。熱中症事故防止とともに、効果的なトレーニングという観点で、水分補給や運動スケジュールを考えましょう。また、一人一人の生徒の体調の把握と、気温に合わせた運動強度など、監督者には適切な指導と管理が求められます。

熱中症発生の要因

環境
  • 環境気温
  • 湿度の高さ、直射日光
  • 風の有無、急激な暑さ
主体
  • 体力、体格の個人差
  • 健康状態
  • 体調、疲労の状態
  • 暑さへの慣れ
  • 衣服の状況など
運動
  • 運動の強度、内容、継続時間
  • 水分補給
  • 休憩のとり方

出典:文部科学省、(独)日本スポーツ振興センター、熱中症を予防しよう―知って防ごう熱中症―(一部改変)

運動する環境には注意しよう

暑い時期の運動は、なるべく涼しい時間を選んで実施するようにします。また長時間運動を続けることは避け、こまめに休憩をとりましょう。(環境条件にもよりますが少なくとも30分に1回程度を目安にします。)

水分補給をきっちりと

汗をたくさんかいたときは、失われた水分とともに塩分(ナトリウム)を補給するようにしましょう。

日本スポーツ協会が推奨する飲料

  1. 15~15℃に冷やす
  2. 2飲みやすい組成にする
  3. 3胃にたまりにくい組成および量にする

補給する飲料として、0.1~0.2%の食塩(ナトリウム40~80mg/100ml )と糖質を含んだものが効果的です。特に1時間以上運動をする時は4~8%の糖質を含んだものを摂取しましょう。このとき汗で失った水分量を補給することが理想的です。運動前後に体重を測ることで、汗で失った水分量を把握できます。

暑さに徐々に慣らしていきましょう

急に暑くなったとき、身体が暑さに慣れるまで1週間程度はかかります。また運動強度が強いほど熱の発生が多くなり、熱中症の危険性も高くなります。身体が暑さに慣れないうちは激しい運動は避け、軽めで短時間の運動をすることで徐々に身体を慣らしていきましょう。しばらく運動を中断して再開したときも同様です。

できるだけ薄着にし、直射日光を避けましょう

暑いときは、吸湿性のある素材や通気性のよい衣服を選択するようにします。炎天下で運動する場合は、帽子をかぶり直射日光を避けましょう。

暑さに弱い人は特に注意しましょう

暑さに弱い人は特に熱中症を引き起こしやすいため、いきなり無理な運動をしないようにしましょう。また肥満傾向にある人は熱中症発症者の多くを占めており注意が必要です。

具合が悪くなったら、早めに申告・運動中止

少しでも体調が悪くなったら、自分の状態を周囲に伝え、運動を中止しましょう。監督や指導者は競技者の疲労の度合いの把握につとめ、少しでも様子の変化があれば運動を中止させ応急処置をとるようにしましょう。
特にランニングやダッシュの繰り返しは熱中症の原因になることが報告されており注意が必要です。熱中症の重症化を防ぐためには早期発見、早期対応が非常に重要です。

出典:日本スポーツ協会:スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック

学校における指導のポイント
  • 直射日光の下で、長時間にわたる運動やスポーツ、作業をさせることを避ける
  • 屋外で運動やスポーツ、作業を行う時は、帽子をかぶらせ出来るだけ薄着をさせる
  • 屋内外に関わらず、長時間の練習者作業の際は、こまめに水分・塩分(ナトリウム)を補給し、適宜休憩を入れる
  • 常に健康観察を行い、児童生徒などの健康管理に留意する
  • 児童生徒などの運動技能や体力の実態、疲労の状態などを常に把握するように努める
  • 児童生徒などが心身に不調を感じたら申し出て休むように習慣づける

熱中症予防ガイドブックは以下のページからダウンロードいただけます。

シーン別の対策と対処法