熱中症からカラダを守ろう

WBGT(暑さ指数)および気温に注意

気温が高いときだけではなく、湿度が高い時にも汗が蒸発しにくく、体温が上昇して熱中症が発生しやすくなります。また直射日光や照り返しを避けるだけでも身体で感じる温度は変化します。熱中症の原因となる暑さの要素、すなわち、気温・湿度・輻射(放射)熱・気流を総合的に考慮した指数を「暑さ指数」(WBGT:湿球黒球温度)といいます。

WBGTが高い時に熱中症が起こりやすいため、この指数が労働現場、スポーツ時、日常生活での熱中症予防の目安として使われています。

熱中症患者発生率とWBGTの関係

主要都市の2005年の救急搬送データをもとに、日最高WBGT温度と熱中症患者発生率の関係を示しています。

夏(6月~8月)の日本の平均気温について

湿球温度は湿度、黒球温度は輻射熱、乾球温度は気温を加味した温度です。
屋外:WBGT = 0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
屋内:WBGT = 0.7×湿球温度+0.3×黒球温度

参考:厚生労働省、熱中症の予防対策におけるWBGTの活用について

日常生活に関する指針

気温
(参考)
暑さ指数
(WBGT)
注意すべき生活活動の目安 注意事項
35℃以上 危険
(31℃以上)
すべての生活活動でおこる危険性 高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。
外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。
31~35℃ 厳重警戒
(28~31℃
すべての生活活動でおこる危険性 外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。
28~31℃ 警戒
(25~28℃
中等度以上の生活活動でおこる危険性 運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。
28℃未満 注意
(25℃未満)
強い生活活動でおこる危険性 一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。
  • (28~31℃)及び(25~28℃)については、それぞれ28℃以上31℃未満、25℃以上28℃未満を示します。
    日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.3」(2013)より一部変更

運動に関する指針

気温
(参考)
暑さ指数
(WBGT)
熱中症予防運動指針
35℃以上 31℃以上
運動は原則中止
WBGT31℃以上では、特別の場合以外は運動を中止する。
特に子どもの場合は中止すべき。
31~35℃ 28~31℃
厳重警戒(激しい運動は中止)
WBGT28℃以上では、熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。
運動する場合には、頻繁に休息をとり水分・塩分の補給を行う。
体力の低い人、暑さになれていない人は運動中止。
28~31℃ 25~28℃
警戒(積極的に休息)
WBGT25℃以上では、熱中症の危険が増すので、積極的に休息をとり適宜、水分・塩分を補給する。
激しい運動では、30分おきくらいに休息をとる。
24~28℃ 21~25℃
注意(積極的に水分補給)
WBGT21℃以上では、熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。
熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する。
24℃未満 21℃未満
ほぼ安全(適宜水分補給)
WBGT21℃未満では、通常は熱中症の危険は小さいが、適宜水分・塩分の補給は必要である。
市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意。

(公財)日本体育協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」(2013)より