知っていますか?「感染症の迅速検査」

コロナウイルス

コロナウイルスとは

ヒトに感染するコロナウイルスは、一般的なかぜの病原体として人類に広く蔓延している4種類と、2000年以降に新型として確認されたSARS、MERSがあります。2019年に中国武漢市で発見され、現在世界的な流行が報告された『COVID-19(日本では新型コロナウイルス感染症)』は病名であり、ウイルスの名前は『SARS-CoV-2(日本では新型コロナウイルス)』です。

このページではCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)に関しての情報を記述しています。

感染経路

感染者の口や鼻から、せき、くしゃみ、会話等のときに排出される、ウイルスを含む飛沫又はエアロゾルと呼ばれる更に小さな水分を含んだ状態の粒子を吸入することが主な感染経路と考えられています。また、ウイルスが付いたものに触った後、目や鼻、口を触ることにより感染することもあります。

潜伏期・感染可能期間

新型コロナウイルスが流行初期のころは、潜伏期は1~14日間であり、曝露から5日程度で発症することが多いとされていましたが、オミクロンでは潜伏期が2~3日、曝露から7日以内に発症する者が大部分であるとの報告があります。発症前から感染性があり、軽症者でも感染力が高いことが感染が広がりやすい原因となっており、SARSやMERSと異なる特徴です。他の人への感染可能期間は個人差はありますが、特に発症後5日間は他人に感染させるリスクが高いと考えられています。

症状

一般的なかぜの時にみられる、発熱・咽頭痛・鼻汁・鼻閉、せきなどが主な症状です。お年寄りや体力が落ちている人、慢性の病気を持っている人などでは、重篤化することもあり、ECMOなどで呼吸管理されることもあります。

  • 新型コロナウイルスが流行初期のころは、インフルエンザや一般的なかぜと比較して、鼻汁・鼻閉は少なく、嗅覚・味覚障害の多いことがCOVID-19の特徴と考えられてきましたが、オミクロンの感染では、ウイルスが上気道で増殖しやすい特性に伴い、鼻汁・鼻閉、咽頭痛、せきなど一般的なかぜの時にみられる症状が多くなってきています。

検査方法

新型コロナウイルスの診断には、主に抗原定性検査が用いられます。検体を採取する場所は、鼻の奥が一般的ですが、鼻の手前、唾液などを用いることもあります。結果が出るまでの時間は、使用する検査キットによっても異なりますが、だいたい8分から15分くらいです。必要に応じてPCR検査もおこなわれます。

治療

特別な医療によらなくても、対症療法が中心となり、経過観察のみで自然に軽快することも多くあります。軽症であっても重症化するリスクが高い、発熱・咽頭痛・せきなどの症状が強い場合は、抗ウイルス薬の投与も考慮されます。中等症、重症であると判断された場合には、入院して薬物療法、酸素療法などが行われます。

Q&A

Q
変異株について教えてください。
A

一般的にウイルスは増殖や感染を繰り返す中で徐々に変異をしてくことが知られており、新型コロナウイルスについても少しずつ変異をしています。大半の変異はウイルスの特性にほとんど影響を及ぼしませんが、一部の変異では、感染・伝播性、重症化リスク、ワクチン・治療薬の効果、診断法などに影響を及ぼすことがあります。新型コロナウイルスでも、オミクロン株では、重症化リスクが低くなったとされています。

Q
新型コロナウイルスに感染した人から、感染する可能性があるのはいつまでですか?
A

発症してから3~4週間経過し、症状がなくなっていても、患者さんからウイルスが検出されることはまれではありませんが、他の方に感染させる力があることと同じ意味ではありません。他の人への感染可能期間は個人差はありますが、特に発症後5日間は他人に感染させるリスクが高いと考えられています。

Q
新型コロナウイルスに感染したら、学校や職場にいつから行けますか?
A

登校に関しては、学校保健安全法により「発症した後5日を経過し、かつ、症状が軽快した後1日を経過するまで」が出席停止期間となっています。

外出(職場など)に関しては、特に発症後5日間が他人に感染させるリスクが高いことから、発症日を0日目として5日間は外出を控えること、また5日目に症状が続いていた場合は、熱が下がり、痰やのどの痛みなどの症状が軽快して24時間程度が経過するまでは、外出を控え様子を見ることが推奨されています。