溶連菌
溶連菌とは
溶血性レンサ球菌の中でA群溶血性レンサ球菌が原因となる感染症で、正式にはA群β溶血性連鎖球菌感染症と言います。「連鎖球菌」と呼ばれるのは、顕微鏡で見ると連なった鎖のように見える丸い菌だからです。
感染経路
飛沫感染と接触感染に注意します。感染している人のくしゃみやせき、会話で出る飛沫を吸い込むことにより感染します。また、感染している人の唾(つば)や鼻水が手から手へ、あるいはドアノブやつり革などを介して手に付着し、口や鼻、目などの粘膜を触れることでも感染します。こまめな手洗い、手指消毒用アルコールで接触感染のリスクを減らすことができます。
潜伏期・感染可能期間
溶連菌の潜伏期間は約2~5日と言われています。
症状
急な発熱(38度以上)と、のどの痛みが主な症状ですが、せきやくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状がでることはあまりありません。またのどや扁桃腺が腫れ、口の中に白い部分がみられることも多くあります。6~15歳の学童に多く見られますが、大人でも感染し、症状がでることもあります。
検査方法
一般的には抗原定性検査を用いることが多いです。検体はのどの奥から採取することが一般的で5~10分程度で結果がわかります。その結果と症状から、総合的に診断します。
一般的なかぜ症状と異なり、せきやくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状がでることはあまりありません。(McIsaacの基準)
- ※McIsaacの基準による溶連菌感染症の可能性
(1)8℃以上の発熱
(2)せきがない
(3)前頸部のリンパ節腫脹と疼痛
(4)扁桃腺腫大と白苔の付着
(5)5歳未満(45歳以上ではマイナス1項目)上記の(1)から(5)に何個該当するかで判断
0-1項目:検査なし、抗菌薬不要
2-3項目:迅速検査陽性例のみ抗菌薬治療
4-5項目:検査せず抗菌薬治療
治療方法
治療薬はペニシリン系抗菌薬を第一に選択して10日間服用します。
Q&A
冬と、春から初夏にかけて、2つの流行のピークがあります。真夏は少なくなりますが、感染しないというわけではありません。ですから、一年を通じて注意が必要と言えます。
A群溶血性レンサ球菌感染による一般的な症状はのどの痛みで、多くは幼児・小児がかかります。しかし、大人にも感染し、症状が出る方もいます。
溶連菌には終生免疫ができないと言われており、何度も感染する可能性があります。
溶連菌は学校保健安全法の第3種に指定されており、適正な抗菌剤治療開始後24時間を経て全身状態が良ければ登校可能となっています。