水分補給

水分補給とイオンと健康の深い関係

何故イオンが身体にとって大切なのか?意外と知られていない健康維持・増進のために効果的な水分補給の方法とともにご案内します。

水分を失わないための正しい水分補給方法を知る

身体から失われる水分

身体から失われる水分

体液は水分の摂取と排泄で、常にバランスが保たれる

1日の水分出納

私たちはふつうに生活していても、尿や皮膚からの水分の蒸発および呼吸によって、1日に約2.5リットルもの水分を身体から失っています。これに対して、飲み物や食べ物から入る水の量も、1日あたり約2.5リットルに調節され、体液はいつもバランスが保たれています。

たくさん汗をかいたときにはのどが渇きますが、それは汗から失った体液を回復させようとする、身体の動きです。

健康でいるための水分補給

健康でいるための水分補給

身体に水・電解質(イオン)を補給するには、血管から補給する「点滴」や「注射」する方法と、直接口から「飲む」方法があります。ここでは「飲む」水分補給についてご紹介します。

のどの渇きは、体液の変化を知らせるサイン

のどの渇きのメカニズム

私たちは、どうしてのどが渇くのでしょうか?実は、こののどの渇きは「体液の変化」を知らせてくれる身体のサインなのです。

のどの渇きには2種類あります。ひとつは、汗をかくなどして身体の水分(体液)の量が足りなくなったときにおこるのどの渇き。そしてもうひとつは、体液の濃度、つまり、水分とイオンのバランスがくずれたときにおこるのどの渇きです。

身体は様々なトラブルを引き起こす水分不足を防ぐために、のどの渇きを起こし、私たちに水分摂取を促すのです。

日ごろから水分補給を習慣づけよう

のどの渇きを感じる前に水分補給をこころがける習慣をつけることが大切です。運動時や作業時においては、作業前はコップ1~2杯程度、作業中はコップ半分~1杯程度を20~30分ごとに水分を補給しましょう。水分の補給量は、体重減少量の70~80%程度が目安となります。体重の2%以上の脱水を起こさないよう注意しましょう。また、日中はコップ半分程度の水分を定期的に(1時間に1回程度)補給しましょう。

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水だけを飲んでいると
脱水する!?

水だけを飲んでいると脱水する!?

人は暑い時には汗をかいて体温を調節します。その働きが正常に働くためには、体液の量が十分であることと、水分とイオンのバランス、つまり体液の濃度が常に一定であることが重要です。汗をかくと水分と一緒にイオン、主としてナトリウムとクロール(食塩)が失われます。水だけを飲んでいると、体液中の水分とイオンのバランスがくずれ、体液がどんどん薄くなリます。すると身体は体液が薄くなることを防ごうとして、のどの渇きが無くなり、また過剰な水を尿として排泄します。その結果、体液の量は十分に回復できなくなります。この現象を自発的脱水といいます。

自発的脱水とは

Training Journal June 90 森本武利より改変
飲み物を選ぶポイント

飲み物を選ぶポイント

体液に近い水を選ぶ

発汗初期の汗の成分(陽イオン)

汗をなめると塩からいのは、汗には水分だけでなくナトリウムなどのイオンが含まれているからです。汗をかいたら身体から失われた水分とナトリウムを補給し、すみやかに身体をうるおす飲料が最適です。とくに、たくさんの汗をかいたときなどは、体液の濃度がくずれやすいので、十分に注意する必要があります。そんな時には、イオン飲料など体液に近い飲料を飲むことで、効率的に水分を補給することができます。

  • イオン飲料とは、汗で失われた水分やナトリウムなどのイオン(電解質)を含み、身体にスムーズに吸収される飲料のこと。

その飲料に塩分(ナトリウム)、糖質が含まれているかをチェック

水分の組成としては0.1~0.2%(100ml当たりナトリウム40~80mg)の塩分と、適度な糖分を含んだものが水分補給には効果的です。運動量が多いほど糖分を増やしてエネルギーを補給しましょう。特に1時間以上の運動をする場合には4~8%程度の糖分を含んだものが水分補給には効果的です。糖分を含んだ水分は腸管内での吸収スピードが速く、保水率も高くなります。これには、イオン飲料が手軽ですが、自分で調製するには1リットルの水、ティースプーン半分の食塩(2g)と角砂糖を好みに応じて数個溶かしてつくることもできます。

参考:日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」
参考:厚生労働省「職場における熱中症の予防について」
参考:環境省「熱中症環境保健マニュアル」

栄養成分表示をチェック!
栄養成分表示100ml当たり:エネルギー25kcal、タンパク質・脂質0g、炭水化物6.2g、ナトリウム49mg、カルシウム2mg、カリウム20mg、マグネシウム0.6mg 飲みものを選ぶときは、ナトリウムの量に注意! 市販されている飲料の「栄養成分表示」に、ナトリウムが40~80mg/100mlであれば、塩分を0.1~0.2%含んだ飲料に相当します。目安は40〜80mg/100ml
糖質の役割
シーン別 水分補給のポイント

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