脳卒中ってなに?

脳卒中の症状は?

脳卒中の症状はさまざまです。

脳卒中発作というと、「突然、意識を失って倒れる病気」と思っている方が多いようです。しかし、こうしたひどい症状で発症するのは一部に過ぎません。
脳梗塞では、手足がしびれて動かなくなったり、物が二重に見えたり、上手くしゃべれないなどの症状があらわれます。脳出血やくも膜下出血では、突発する頭痛や嘔吐、意識がなくなる、手足がまひするといった症状が突然あらわれます。

脳梗塞 脳出血、くも膜下出血
・手足のまひ(うごかなくなる)、手足がしびれる
・物が二重に見える
・言葉が上手く話せない 等
・突発する頭痛、嘔吐
・意識がなくなる 等

こんなときはすぐに病院へ。

脳卒中を疑ったら、直ちに119番に電話して救急車を呼んで下さい。脳の障害は、脳卒中の発症後、時間が経つほど大きくなります。障害が大きくなると、後遺症も重度となり、命の危険も高まります。

脳梗塞における病巣の拡大

心原性脳塞栓症の場合
時間が経つとどんどん梗塞は大きくなってしまいます。

ですから、以下のような症状が現れたら、一刻も早く、専門医を受診し、適切な治療を始めることが大切です。何故一刻も早くなのかと言いますと、CTやMRI等で、脳出血やくも膜下出血が否定され、脳梗塞であることが判明した場合、脳梗塞では「血管内治療」の治療が可能な時間が、「発症から24時間以内」であるためです。

突然意識を失って倒れる
激しい頭痛
吐き気
めまい
足がもつれる
手足がしびれる
ものが二重に見える。あるいは見えにくい
食べ物や飲み物が飲み込めない
言葉が出ない。あるいは話せない。

ACT FAST

米国脳卒中協会では、脳卒中を疑う人に対して、3つのテストをすることを推奨しており、そのうち1つでもあれば脳卒中を疑います。その頭文字を取ってFASTと読んでいます。

ACT F.A.S.T! 急いで行動しよう!様子がおかしいと感じたら顔・腕・言葉を確かめましょう ACT F.A.S.T! 急いで行動しよう!様子がおかしいと感じたら顔・腕・言葉を確かめましょう
顔 「イー」と言ったときにー側の顔がゆがむ場合 顔 「イー」と言ったときにー側の顔がゆがむ場合
腕 両手をあげて片方の手が落ちる場合 腕 両手をあげて片方の手が落ちる場合
言葉 「今日は天気がよい」ときちんと言えない場合 言葉 「今日は天気がよい」ときちんと言えない場合
顔 Face 腕 Arm 言葉 Speech 時間 Time 顔 Face 腕 Arm 言葉 Speech 時間 Time
脳卒中?顔・腕・言葉ですぐ受診 119番または専門病院へ 脳卒中?顔・腕・言葉ですぐ受診 119番または専門病院へ

発作の前触れを見逃さないで

手足に力が入らない、手足がしびれる、ものが二重に見える、食べ物や飲み物が飲み込めない、言葉が出ないなど、脳梗塞の症状が現れた後、通常5~15分程度、遅くとも24時間以内に症状が消えてしまうことがあります。
これは「一過性脳虚血発作(TIA)」と呼ばれ、小さな血栓が脳血管に一時的に詰まりますが、血栓がすぐに溶けることで症状が消えるものです。

「一過性脳虚血発作」は大きな脳梗塞発作の前ぶれ(警告)とも考えられており、3ヵ月以内に10~20%が脳梗塞を発症し、その半数が48時間以内に発症するといわれています。
ですから、以上のような症状が起こったら、必ず、そしてなるべく早く医療機関を受診することが大切です。

注意!高齢者・家族歴のある人は特に注意が必要です!

脳卒中の患者さんは、高齢になるほど増える傾向があります。これは、脳卒中の主な原因である動脈硬化や心臓病が加齢とともに進行するからです。
また、近親者に脳卒中の経験がある人がいる場合は、そうでない人より脳卒中を起こす確率が高いともいわれています。
ですから、高齢者や家族歴のある方は、特に予防を心がけ、また前ぶれ症状に注意しましょう。