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PMS症状の個人差
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PMSの症状の種類や現れ方、程度には個人差があります。自分の感じる心身の不調が「PMSに当てはまるのかどうかが分からない」という悩みをかかえている人や、PMSの症状であることに気がついていない人も多いようです。
症状は200種類以上、出方も千差万別
PMSは症状が軽めの人もいれば、PMSよりもさらに精神症状が強くでるPMDD(月経前不快気分障害)の人もいます。20~49歳の日本人女性1187人を対象に行われた調査(対象者1187人中25人はデータが揃わず除外)でも、「PMSの症状なし」と回答した人を含む対象者全体の7~8割の人が、多かれ少なかれPMS特有の身体的、精神的な症状を感じています。(※1)
PMSの症状は200種類以上あるとされ、(※2)症状の出方も千差万別です。全国の女性1000人(30~44歳)を対象に行ったインターネット調査によると、PMS有症者の約半数は「だるい/全身に倦怠感がある」という身体症状、「イライラする/怒りっぽくなる」という精神症状を抱えていて、ほかにも様々な症状を自覚していることが分かりました。
身体はだるく、心はイライラ
全国の女性1000人が対象のインターネット調査。
PMSの症状を自覚しているのは739人で、症状は多いものから順にグラフの通り(複数回答)。
(2021年6〜7月 大塚製薬調べ)
※1 Arch Womens Ment Health; 9(4): 209-212, 2006
※2 Gynecol Endocrinol; 29(1): 67-73, 2013
PMSの症状に気づいていないかも?
症状の種類や発生のタイミング、程度に個人差があるPMSですが、そもそも自分の症状が「PMS」によるものということに気づいていない人もいます。たとえば、「イライラ」の症状が出ていても、「どうしてイライラしてしまうのか分からない」「イライラするのは自分が悪いのだろう」と思うばかり……とか。月経前にイライラしてつい子どもにあたってしまいそうになり、PMSに気づいたというような人もいます。
月経前に何らの不調や心身に違和感を感じるときは、まず、「これってPMSかも……」と疑ってみることが大切といえます。
PMSの症状は、いつ、どのように、どのくらいの強さで出るかを記録し、毎月の不調を自覚するだけで軽くなることもあります。上手に向き合っていくために、気になる症状があるときには、メモを取る習慣を身につけておきましょう。
監修 小川真里子特任教授
福島県立医科大学
ふくしま子ども・女性医療支援センター
福島県立医科大学医学部卒業。慶應義塾大学産婦人科を経て、2007年に東京歯科大学市川総合病院産婦人科助教、2011年同講師、2016年同准教授。2024年4月より現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本心身医学会心身医療専門医、日本女性心身医学会認定医などの資格を持ち、PMSや更年期などの診療にあたる。
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