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女性ホルモンをサポートする「エクオール」 | PMSラボは月経前の心や身体の不調「月経前症候群」に関する情報サイトです。

女性ホルモンをサポートする「エクオール」

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エクオールエストロゲン構造式

エクオールとは、大豆イソフラボンの1つである「ダイゼイン」から、腸内細菌「エクオール産生菌」の作用によってつくられる成分のことで、女性ホルモンの「エストロゲン」に似た構造を持っています。女性ホルモンが関わる種々の不調の緩和や疾病リスクの低減に対するエクオールの効果が数多く報告されており、女性の健康と美容をサポートすると考えられています。

エクオールは腸内細菌がつくる

エクオールの働く仕組み

エクオールは、エストロゲンが不足していると「エストロゲン受容体」にはまり込み、エストロゲンに似た働きをします。一方、エストロゲンが過剰にあるときも、エストロゲン受容体の一部にエクオールがはまり込み、エストロゲンの作用を弱めてくれます。エクオールの効き目はエストロゲンの100分の1から1000分の1と穏やかです(※1)

エクオールはエストロゲンの作用を整える

しかし残念ながら、すべての人の腸内にエクオール産生菌がいるわけではなく、エクオールがつくれるかどうかは人によって異なります。

エクオールがつくれる人はPMSの症状が軽い

エクオールには、PMSの精神症状を軽くする作用が期待できます。
健康な女性39人(18~39歳)を対象に、腸内でエクオールがつくれる「エクオール産生者」かどうかを調べ、月経前の症状の程度との関連を検討した研究では、「エクオール産生者のほうが、日常生活に影響があるほどの精神症状が出る人が少ない」という結果が出ました。

エクオール産生者はPMSの精神症状が軽い

(東京医療保健大学紀要; 2(1): 39-42, 2006)

別の研究では、女子学生154人(18~22歳)を対象に、エクオール産生者かどうかとPMSの諸症状の関連を調べています。「痛み」「否定的な感情」「気分高揚感」にエクオール産生者と非産生者で明らかな差がみられました。

月経前の「痛み」「否定的感情」「気分高揚」に差

(2015年11月、第30回日本女性医学学会学術集会にて、大製薬の上野友美が発表)

また、エクオール産生者には月経前の肌トラブルが圧倒的に少ないということも分かってきました。対象は健康な女性45人(22~40歳)で、エクオール産生者は18人(40%)。月経3周期間毎日、にきびや肌あれの症状の有無や強さを記録してもらいました。グラフは2周期あるいは3周期とも月経前に症状が出た人の割合です。エクオール産生者には、にきびが出る、肌があれるという人がほとんどいませんでした。

エクオール産生者には月経前のにきびや肌あれが少ない

(産科と婦人科; 83(12): 1434-1439, 2016)

日本人の2人に1人はエクオールがつくれない

腸内でエクオールをつくれる「エクオール産生者」は、どのくらいいるのでしょうか。国別・地域別に見てみると、日本を含むアジア諸国にはエクオール産生者が比較的多いのですが、それでも5 割程度。2人に1人はエクオールがつくれない「エクオール非産生者」です。
欧米諸国ではエクオール産生者がさらに少なく、3 割程度しかいません(下図)。このような地域差がみられる背景には、生活習慣の違いがあるのではないかと考えられています。

エクオール産生者はアジアに多い

(日本女性医学学会雑誌; 20(2): 313-332, 2012)

若年者にエクオール非生産者が多い

エクオールがつくれるかどうかには、腸内環境を整える生活習慣に関わりがあると考えられています。
全国8325人を対象に尿検査でエクオール産生者かどうか調べたところ、若い人ほどエクオール産生者が少なく、10代では2割しかいないという結果が出ています(グラフ)。大豆を食べる頻度や食生活の欧米化が影響しているのかもしれません。

20代以下にエクオール産生者が少ない

尿検査でエクオール産生者かどうか調べた全国8235人の測定結果から

(Food Style 21; 21(10): 102-104, 2017)

この調査では、エクオール産生者には「大豆をよく食べている」「食物繊維の多いものをよく食べている」「運動習慣がある」という人が多いことも分かりました。これらはいずれも腸内環境を整える生活習慣です。

エクオールがつくれるかチェック

エクオールがつくれているかは、簡単な尿検査で調べられます。体内で作用したあとのエクオールは尿に排出されるため、尿を調べればエクオールがあったかどうかわかります。
エクオール産生菌の餌となる大豆食品を食べた翌朝の尿にエクオールが出てくればエクオール産生者です。郵送検査のキットもあるので、手軽にチェックできます。

女性ホルモンの働きを助け、PMSの諸症状をやわらげる作用が期待できるエクオールですが、残念ながら、エクオール産生者ではない人が生活習慣を見直したからといって、エクオールを産生できるようになるという研究データは見当らないのが現状です。また、エクオールがつくれない人は、サプリメントで摂取が可能なので試してみるとよいかもしれません。

※1 J Steroid Biochem Mol Biol; 101(4-5): 246-253, 2006

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